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読んだ本 正しい恨みの晴らし方~科学で読み解くネガティブ感情~

2023年10月に読んだ本「正しい恨みの晴らし方~科学で読み解くネガティブ感情~/中野信子、澤田匡人」

この本を買った時は、正に恨みを晴らしたい時で、読み始めたら「そうそう!これこれ!」という記述から始まって嬉しかったなー。
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恨みとは「思い出し怒りにとらわれた状態」もしくは、「怒りをもたらした出来事を反すうせざるをえない状態」とみなせます。
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読み進めていくと、妬みと嫉みについての記述が多くて、読み飛ばしたり止まったりした。

最近読むのをぼちぼち再開して、後半の方がスルスル読めて、「中野さんってこんなこと考えてたんだ!」と知って好きになった。

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もっと言えば「正しくないことをされた」という被害者意識こそが恨みの源といえます。自分のプライドを酷く傷つけるようなことをしてきた相手に怒り、その怒りがなかなか収まらないとき、それを恨みと呼ぶのです。
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そうそう!これこれ!
そしてこれもまたぐうの音。

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そもそも、自分を軽視した相手に認められなければ傷ついたプライドが回復しないというのも考えものです。なぜなら、それは相手に執着し、振り回されている状態から脱していない証でもあるからです。
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そして、ここ数ヶ月程、爽快アクションものを見始めた理由が書いてあった。読んだはずなのに忘れてたなー。

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私たちは、基本的に因果応報を信じています。だからこそ、悪いことをした人が不幸になるドラマを観てスッキリするのです。これは、シャーデンフロイデそのものです。
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マンガや映画の紹介もあって、スプリガン、鋼の錬金術師、アマデウスを読んだり観たくなった。

今までは妬みや嫉みと縁遠い生き方をしてきたと思っていた。でももしかしたら「ないこと」にしてただけかもなーと最近思い始めた。認めるのが難しければ「ねたみちゃん」と擬人化して、自分の中の小さな女の子、男の子と見てみるのも良いよ、と書いてあって「あー!こういうときにも有効なのね!」と思った。

それから悪意について。
「凡庸な悪」「ハンナ・アーレント」とか気になってる。

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誰かを傷つけるのに悪意など必要ないのです。むしろ、善意の行為がもたらす結果の過小評価や誤解が、他者を傷つける刃を研ぎ澄ますのに役立っているとさえみなせます。自分の正しさに固執すればするほど、私たちは知らず知らずのうちに、いじめやハラスメントと呼ばれる行為に手を染めてしまうかもしれないのです。
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それから「私はそんなこと決して望んでいないけれど、あの人のアレはひどい」が気になりすぎる場合、認知の書き換えが起こっているというのも、グサッときた。

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立場が欲しい、お金が欲しいと思うことは恥ずかしいことなのだ、と教えられて私たちは育っています。すると、「その立場が欲しい」「お金が欲しい」と思っていることそのものを、非常に恥ずかしいことだととっさに認知する回路が脳にはできあがってしまいます。すると、脳が勝手に認知を書き換え、「その立場が欲しいのは、自分ではなくあの人だ」「お金が欲しいと思っているのは、自分ではなくてあの人だ」と投影の機構が動き始めるのです。
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投影な!相手に言いたいことは自分に言いたいこと、自分のこと、というのが「そんなわけない!」「あの人に言いたいことはあの人に言いたいこと!」という訳では無い…ギクギクッ。上手いこと気付かなくて良いように書き換えてきた時間が長ければ長いほど、今更気付きたくない。

だがしかし、今が苦しいなら、気付くところからなのだ…。

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