#319 サヨナラ満塁ホームラン

まさかの再会を果たした同級生Aと、連絡先を交換し改めて会うことを約束した。僕は同級生Aの様に来年の新人練習を再度受ける決意はできなかったが、彼の強い思いと情熱には心が動かされた。
同級生Aの早大ラグビー部に入部したという一切の迷いを感じさせない真っすぐな思い。その話をする時の彼の眼は輝いていた。
僕は同級生Aに出会うまでは少し眠気が押し寄せてきていたが、彼の話を聞いて一気に眠気が吹き飛んだ。
僕は所属ラグビーサークルが並ぶために確保していた場所に戻った。
さすがに深夜真っ只中ということもあり、サークルメンバーのテンションは下がっており、中には寝ている者もいた。
僕は飲みながら話している同期の輪に入って話に加わった。
それから数時間すると、辺りが明るくなってきて夜明けを迎えた。
夜明けと共にこれまで静かだった周囲も少しづつ、賑やかになってきた。
寝ていた者も目を覚まし、活動し始めたのだろう。
そこから当日券発売までの時間はあっという間に訪れた。
当日券を購入した後は、夜な夜な起きて飲んでいた代償は大きかった。
一気に疲労感と眠気が押し寄せてきた。
球場内に入れる時間が近づくと、ラグビーサークルの3年生~4年生及びマネージャー達が次々と現れた。僕らが確保した当日券でみんな入場した。
試合が始まった頃には徹夜組は疲労感と眠気でテンションが低く、朝合流した組とは明らかにテンションに差が生じた。
試合自体は追いつ追われつの白熱した試合となった。9回裏4対4で迎えた早稲田の攻撃。2アウト満塁で主将の仁志選手(後にドラフトで巨人)がサヨナラ満塁ホームランで劇的幕切れとなった。
場内大騒ぎで早稲田側応援席は特に盛り上がった。
試合が終わり、僕らのサークルメンバーはお店で改めて宴会が行われた。
僕ら徹夜組も流れでそのまま宴会に参加。宴会が始まる頃には少しテンションも回復し、半ば焼け気味に宴会で飲み続けた。この頃にはほぼ1日半以上起き続けていたことになった。
続く…

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