#338 ギャップ

3日目の夕食はホストファミリーのお父さん以外の家族が不在だった。
お父さんが僕の夕食を用意してくれた。
お父さんは食べた様だったので、僕が一人で食べることになった。
僕は練習を終えた後でかなり空腹だった。
夕食のメニューは炒めた美味しそうな太めのソーセージにマッシュポテトがお皿の上にたくさん並んでいた。
僕は見るからに美味しそうなソーセージに最初にかぶりついた。
なんとそのソーセージは見た目とは裏腹に味がせず、ぼそぼそした美味しく感じなかったのであった。
ただ、折角お父さんが作ってくれたものだったので、なんとか全部食べきった。
ソーセージを食べ終えると、お父さんが食卓に現れ、お代わりがいるか聞いてくれた。
僕は「No thank you」と答えた。
そうするとお父さんは満面の笑顔でソーセージが載っていたお皿を持って
キッチンの方へ消えて行った。
僕は他のものも全部食べ終え、ご馳走様の挨拶をしようとしたところ、お父さんが戻ってきた。手には先ほどのソーセージが倍の量載ったお皿を持っていた。どうも僕の英語がきちんと伝わらなかった様だった。
僕は仕方なく、笑顔でお礼を述べ、最初のソーセージの倍の量を必死に食べた。僕は10本近くあった大量のソーセージのお代わり分を辛うじて食べきった。
食べ終え、お父さんにお礼を伝え、食卓を後にした。
かなりお腹が苦しかった。
朝食で出たベジマイトとはまた違う見た目とのギャップがある美味しくないソーセージ。
しかも仮に味が美味しくても食べきるのが辛い量だった。
しばらくソーセージ自体を見たくなくなる様な気分になっていた。
続く…



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