#303 衝撃の事実

心の準備ままならぬ中始まった早大ラグビー部新人練習。その容赦ないハードな練習内容に加えて部の厳しい空気感に押され、暗澹な思いにされされていた。そうした中、僕に声を掛けてくれた同級生の存在はとても心強く、少し光明が見えた気がした。新人練習に来ていた新入生は現役合格で入学してきた者は年齢で2つ、1浪で入学してきた者は年齢で1つ離れていた。
この時期の年齢が1つ差や2つ差は結構離れている気がして、どうしても近い年齢同士で固まる傾向にあった。
現役合格で入学してきた者と、2浪して運動らしい運動をしてこなかった僕とでは体力的に差があった。
走るメニューの先頭集団に立つのはほとんどが現役合格組だった。
新人練習参加二日目で衝撃的な事実を知る事となった。
一年前新人練習で脱落し、入部が叶わなかった者が今回2回目の新人練習を受けに来ていた。
1年目入部できなかった場合、次の年もう1回だけ新人練習を受ける事が出来る様だった。
ただ、晴れて入部できてもあくまでもラグビー部では1年生としてスタートする様だった。
大学内では2年生で、ラグビー部では1年生。
4年間ラグビー部に居ないとラグビー部を卒業する事にならないので、それをよしとしない者は単位を落として留年した上でラグビー部として続ける様だった。
僕はそのラグビー部2年入部という事実を知り、正直驚いた。僕はそこまでしてこの部に入ろうとは思えないなと思ってしまった。
その2年入部の事を話してくれた人は今回、そうした2年入部を目指す者が7〜8人は居る事を教えてくれた。その彼は鹿児島県から早稲田ラグビーに憧れ、目指してきた。新人練習の過酷さや早稲田ラグビーの厳しさに関して話してくれた。
今回、新人練習を受けに来ている約100人の新入生は翌日の2日目で既に10人近く減っていた。
思っていたのと違うもしくは辛くて諦めた者が10人ばかりいたということだった。
僕は何とか二日目も乗り切る事ができた。
続く…

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