見出し画像

金金土日月。

金曜日。
「甘えられないタイプだよね」と言われたけど、「(甘えられないというか、甘える必要がない。悩みはするが、なんでも結局一人で自力で解決できる。一人でやってこれた)」と思ったのだが、人はそれを甘えられないタイプというのだろうか。
自分でできることでも、人に頼ることを甘えというのだろうか。

金曜日その2。
がんばりたくないし、疲れ果てているのでがんばれもしないのだが、がんばるしかやりようがなく、ちょっと泣きたい。そう思っても泣けはしないのだけど。
泣きたいと思うだけの方が、実際泣いてしまうより遥かに多く、前者の悲しさの累積と後者の悲しさの累積を、秤に掛けたら絶対に前者に傾く。

土曜日。
何年も前に書いたいわゆる引き寄せノート的なものに、「6時に起きて23時に寝る生活」と書いてあり、(なんかごめん…)となった。

日曜日。
『最高の教師』を観た。
大人は思ったより大人じゃないとか、あの頃思い描いた大人になれてないとか、よく聞くけれど、じゃあ「思い描いた大人」ってどんなもんなのかと考えた時、迷い惑う若者を教え導くような、道を示すような確かな言葉を掛けられる人間ということになる。私の場合。
そんな大人は周りにいなかったけれど、ドラマや映画で観てきた大人はだいたいそうした言葉で道を示してくれていた。だから大人とはそういうものだと思ってしまったようだ。
今の私の周りに、迷い惑う若者がいるわけじゃないけれど、ドラマや映画に出てくる若者に掛ける言葉は思いつかない。私は未だに迷い惑うことばかりで、何も声をかけられない。

月曜日。
休みの間はほとんど家に篭っていたので、久しぶりに外に出て「せ、世界はこんなに暑かったのか…」となった。人が生きていける場所ではなくなってきておる。

火曜日。
人が話してるのにそれを最後まで聞かず、自分の話で遮り口を封じるのはコミュニケーションにおける殺人で、死因は窒息。

喋ってるのに食いぎみに喋ってくる 次も その次も、 は人殺し

伊舎堂仁『短歌研究』2023年5+6月号

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?