やわらかきもの。

終わる頃にはこの寒さに飽き飽きして、早く終わらないかなと思うと知ってても、この寒さが嬉しくて冬の始まりにわくわくした。

寒さのせいでチャイが飲みたくなって、フレッシュネスバーガーに寄ってから帰ることにした。
まだ研修中のような店員さんがレジにいて、店員といった風情ではなく、ちょっと頼りない高校生といった風情で、でもこの人もバイトを重ねるにつれ、スムーズにオーダーをこなす立派な店員という型にはまるんだろうな、と少し寂しくなった。もたもたとした柔らかさがなくなるのがもったいないなというか、そんな感じ。

いつも飲んでたものよりも熱く感じて、こんな熱かったっけ?今日が特別寒いから?と戸惑ってしまうチャイには、なぜかストローが付いていて、いやこんな熱いものストローで飲んだら喉死ぬよ?と思ったけど、熱いからこれをマドラー代わりにかき混ぜて冷ませってこと?と一応カップの中に入れて、くるくる回してみたら、すぐにふにゃふにゃになった。
プラスチックが柔らかくなるほどの熱さなんだなと驚きつつ、またプラスチックが溶け出して害のあるものが混ざりそうだなと思いつつ、手に伝わるそのふにゃふにゃとした感触が面白くて心地よくて、しばらく回し続けた。

誕生日、と名のつくある夜の出来事。

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