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乱雑な輪郭

鳩は悲しんでいる。
癒えない夜の真中の隙間に、挟まって、留まってるあなたが邪魔で。尋問して絡まってく価値観。
巻貝の渦巻。鯨の目頭。伊勢エビの殻。鮪の叩き丼。重低音。望まれないまま暮らすクラスタ。
トビウオの世界一周旅行達成目前に巻き込まれた竜巻。その時死んだ最古の微生物が4年後最新のテクノロジーの結集により蘇る。
青函トンネルを彷徨い続ける白い魚の亡霊。
シンプソン砂漠から果てなくサラサラ飛んで流れる青い砂は、8年かけて地球全体を覆って、わたし達の生活に重なってって溶けていく。シンギュラリティ。増えゆく揺るぎない自尊心。鞄を持つ。
つまらないと嘆く無機物の最期。
大衆の面前に裂ける裏腹。
欠けてく脆い羞恥心。
アウトレットの屋外椅子で寄り添う二人。
ゆらゆら燃えて砕け散る黄色い車。
カラカラに乾いた喉元から裂けて出た大量の赤子の手。太陽は今日も眩しい。
あどけない女子高生が通う綺麗な新築接骨院。
正常も異常もないユートピアを作ろうと必死な男子大学生が毎年通う市民プール。
区民プール。
町民プール。
村民プールって言葉、聞いたことないな。
遊覧船に乗せて連れてってよ。
BPM60で4拍ごとに訪れる虚無。痛い。
インフルエンザの時に見た夢を稀代の忍耐で書き記した大正の文豪の死に際は、酷く平凡なものだった。
いいじゃない、なんだっていいじゃない。
フーコーだってサルトルだって普通に死んだ。

ここは紀元前。北極星が真上に見える植民地のその植林地。いつかの未来に全て壊すため、いつかの勝手に壊されないため、今から言葉の木を植える。思想と宗教から切り離された社会の奥地に潜む町。行こうと思っても誰も辿り着けない。お邪魔したいならその服捨てな。ラッコの衣服は人には見えないでしよう。私もそうやってここに来た。100年経って、帰ってきた。
昼時おちゃめなマンミーツマン。ドカン。
ピッ。ピッ。ピッ。ピッ。

言葉を育てるのにもノウハウが必要だっておばあちゃんが言ってた。100年前に死んだおばあちゃんが手紙でこの前教えてくれた。お母さんのお姉ちゃんに宛てた手紙だったけど、大掃除の時出てきたから勝手に読んだ。読まずに食べられなくてよかった。
ディストピアで生えた無邪気な言葉達を、いつか乱伐するために、育てて育てて目を閉じる。いつか誰かが見つけてくれる、ユートピアの咲く芽のために。

お化け煙突。ラララララ、
歩く屍。トロイアの鐘。海へ納骨。血と皿と灰。
スーパーフライ級チャンピオンの全身NIKEコーデ。ブラッドハウンド。未亡人。肺と地と紗羅。
毒味してくれ死んじまう前に。
開かない踏切。拙いドイツ語。
岸田國士の人間哲学。
果て無し輪廻を巡り巡っても何処にもいないよツァラトゥストラ。夢幻トンネルらちるてとてくてくて
あら、偉くべっぴんさんなにゃんこだこと。
素っ頓狂に駆け巡る巡る虎。にゃーお。
アングラからしっぽがはみ出てるよ先輩。
天に連なる六角の鉛筆。
赤ボールペンで描くバベルの塔。
何回やってもロールバックする。
大人しくいこうぜ。
およそ再現しにくい超人のロボットダンス。
ようこそ裏返しのおよそ2時間と40~50分。
〇✕ゲーム。西部劇。ざわわ。ざわわ。
あっという間に貫いた。校長。眩ませる。ざわわ。
くだらない遊びを因数分解する好き者の合コン。ジャマイカ。チャイナ。ヤメチャイナ。
素晴らしい世界。
今日の天気は曇のち曇のち曇のち曇のち
朝またがって観たララランド。だりぃ。
サンリオで言うところのツンドラ地帯。
古代壁画のトムとジェリー。恐ロシア。殺し屋。
魚介スープにコンソメを少々。
真夜中山奥に走るコープデリ。石焼き芋。
ロケット花火。山火事と終末。バケツリレー。
つまらないわけないじゃないですか。
肋骨。蜜柑。どどめしや。ドッピオ。愛しくる。
アンドロイドの深い眠り。宴の病と殺し方入門。
すべらないバナナ。タコ型ソーセージ。運動会。
アダムとイブ。ニライカナイにちりぬるを。
およそ世俗的な思考と頻発ワード。
回転する地軸と私の関係。
合わせてぴょこぴょこみぴょこぴょこ。
ある日とうもろこし畑で目が覚めました。
お客さんここは旅館じゃないんですよ。
フラットに考えましょう。
今日も世界は陰鬱です。
チッチッチッチッ。
師匠と海へドライブする休日。
これを魅力と言います。
あ。
浮かんだらパッと答えましょう、
さぁ3、2、1、A、B、C、
ピッ。ピッ。ピッ。ピッ。

それは記憶のフィールドライティングと言うにはあまりに酷く辛く鋭利なものでした。誰かの生活の刹那を此方から切り取り組み立てるのでなく、既に切り取られ無意識に組み立てられた言葉が、全て私に向かって超高速で飛んでくるんです。
何と言うかそう、言葉の大群が攻めてくるんです。誰かの悪口が幻聴で聞こえてくるとか、そういう責めてくるとかじゃなくて、なんか、一気に機動隊が壁を壊してダーッと押し寄せて来るみたいな、津波が堤防を超えて押し寄せるような感じ、で頭に言葉がバババババッと。頭痛じゃないけど、頭痛のような。痛みは伴わないけど、頭痛のようなそんな感じで。

ずっと私の頭の中に流れているBPM46で刻み続ける秒針は、物心ついた時にはもうあって、おばあちゃんに尋ねたら、優しく何かが終わってく音って教えてくれた。

テレビを消して、電気を消して、それからみんなにおやすみって言って。
目を閉じて、目を閉じて、目を閉じて、みんなが目を閉じたって感じて私も目を閉じて。
ああ、今日もだんだん、世界が大きく見えてきた。

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