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OTMGあとがき:「クジラ夜の街」コラム

 5月17日、ワンタンマガジンにてクジラ夜の街の特集記事をアップしました。ほんっと難産原稿でした。書いては消して、書いては消して、書いては消して、読んでは悩んで、寝かせては悩んで……というふうにめちゃくちゃ時間が掛かった。20日間くらいかかってます。

 わたしは感動した音楽ほど書くスピードが遅くなる傾向にあります。文章を書くことは理性的な脳が必要だけれど、感動はとても本能的かつ感性の世界のものだから、そのすり合わせに時間が掛かってしまうのです。

 ある程度クールで、ちょっとへんてこなものに惹かれる身としては、原稿で興奮をそのまま言葉に反映させることや、でろんでろんの陶酔系ロマンチシズムに没入することは美学に反するため、スマートで理路整然としているなかに熱を込めるように心がけています。手書き文字で例えるなら、荒ぶる大きな文字で書くのではなく、パッと見は普通だけどじつはめちゃくちゃ筆圧が強いイメージ。

 「この衝撃や感動をどう伝えようか?」と考え、彼らの音楽に触れたときに混乱したことをベースに文章を広げていきました。文中にも書いた「いったい彼らは何者だ?」と「前世の記憶でもあるのか?」が、ライブを観ていて真っ先に思ったことだったので、そのまま書いちゃったほうが面白いかな、と思い切ってみました。

 それはワンタンマガジンという自主制作メディアだからこそできたことはもちろんですが、彼らが若いロックバンドだからこそ通用した手法だとも思います。あと、彼らがユーモアセンスを持っているバンドだからできたことでもあるかな。ばちばちにかっこつけてるバンドにこういう言葉を当てると、ちょっとサブいというか、嘘くさい感じになるので。

 新譜『ヨエツアルカイハ1番街の時計塔』が配信リリースされたばかりなので、作品レビューにするか紹介記事にするかもめっちゃくちゃ悩んだ挙句、最初に彼らの音楽に触れたのがライブだったので、その経験をもとにエッセイとレビューとライブレポートをごちゃ混ぜにしたテキスト=コラムにしました。今度は作品や曲自体に着目した視点で書きたいです。

 一度ライブを観てほしいなあ。こんな状況なのでしばらくはなかなか難しいかもしれないけれど、【ヨエツアルカイハ~】もライブですっごい良かったんです。またライブ観られる日がたのしみ。

 というわけでクールながらに躍動感が伝わる渾身のコラムになったと自負しております。いまのわたしの力を出せる出し切ったので、ぜひぜひ読んでみてください。あと【Sugar】って曲がまじやばすぎなので激チェックでよろしゅうです。


最後までお読みいただきありがとうございます。