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最近のわたくし

 1月2月と新型コロナウイルスに対するストレスだけでなく、それとは別軸で仕事を楽しめない日々が続いていた。心身ともに疲弊してしまい、2月中旬の時点で3月の仕事を制限することを決めていた。

 ただ先月末の感染拡大防止に向けた政府のイベント自粛要請で、結果的には制限せずとも制限される状況になってしまった。カルチャー系のフリーランスライターとしても、現在の状況は正直あまり良いとは言えない。

 加えて同居している母は飲食店経営で、持病のある70代だ。もしわたしが感染してしまえば、確実に母に移す。だからこそ絶対に感染してはいけない。毎日気を張った生活をしている。全身が凝ってるのは間違いなくコロナウイルスにまつわるストレスだ。

 ライブレポートもキャンセルになったり、ライブに行くことができなかったり、この先に決まっているライブレポートもキャンセルになる確率が高い。体調不良の人が増えてきたら、インタビューも難しくなるかもしれない。母のサポートをする資金も必要なため、生活も厳しくなるだろう。

 1月下旬から出来る限りの予防に徹している。仕事は直行直帰、必要最低限なことでしか出掛けないという非人間的生活。追い打ちをかけるように、先週飼い犬が突然死してしまった。人と会えない。大好きな東京に気軽に行けない。もっとばりばり働きたい。可愛い愛犬がいないことを考えると涙が出てくる。正直ばりしんどい。

 だがその反面、家でのんびりと過ごせている=家で丁寧なくらしができていたりもする。なによりもありがたいのは原稿1本1本を丁寧に上げることができるという環境だ。

 もともとわたしはとても遅筆で、感情を文字の線のなかにじっくり詰めていくような感覚で文章を書いている。几帳面な性格も影響していると思う。原稿すべてに綺麗にやすり掛けができていることが、大きな達成感につながっている。

 その結果自然と身の回りを整理するようにもなり、朝4時半に寝る生活が深夜1時過ぎには眠くなり、11時や正午過ぎに起きていたのが自然と8時過ぎには目が覚めるようになった。起きてからのんびり1時間布団でぬくぬくしながら携帯をいじって、そのあとのんびり朝ごはんを食べる時間も幸せだ。

 もちろんウイルスはまじでどっかいけと怒り心頭だし、ライブハウスに密接なお仕事をしている方々に降りかかっている災難にはやるせないし苦しくなるし、母のことは心配だし、春節の前に入国制限しておいてくれたらこんなに人が死なずに済んだんじゃないか、世間がパニックにならなかったんじゃないかとすら思っている。

 だが同時に、大好きな仕事を楽しめない日が続いていたなかで「やっぱり自分はこの仕事が好きだ」という意識にまで回復できて、「こんなこともやってみたいな」というイメージにまで辿り着いたのは、時間の余裕があったからだとも思う。

 音楽業界も、ライブが多数キャンセルになり暇になった人もいれば、もっと忙しくなった人の両方がいる。どちらもつらいけど、つらさの方向性や性質がまったく違う。比較する必要はない。忙しくしている人たちが身体を壊さないよう、少しでも苦しみから解放される時間があることを、心から祈っている。

 終わりが見えないことに加え、自分がどうなるのかもわからない。不安もかなり大きい。来週はインタビューが2本と打ち合わせが1本入っている。ワンタンマガジンのインタビュー企画も少しずつ進んでいる。今日は気持ちがいい天気の日だ。ひとりでドライブなんていいかもしれない。

 みんなで集まって「いやあ、あの時は大変だったね」という笑い話が出来る日や、お客さんのきらきらとした笑顔の目の前で爆音が鳴り響く日を心待ちにしながら、いまからテープ起こしに取り掛かる。記事がアップされたら、ぜひ読んでくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございます。