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【1989年100日旅】11日目。モスクワ

1989年4月16日。旅は11日目。この日は日曜日。ボリショイサーカスに行った。サーカスは日本でも見たことはあったけれど、ソ連で見たボリショイサーカスは比べ物にならないほど迫力満点だった。命知らずが段違い、というか。いつも数行しか書いていない日記に、この日は1ページ近く興奮を書き連ねている。覚えていないけれど、猫が大活躍したようだ。

サーカスにはピオネールと呼ばれる少年少女団所属の子供がたくさん来ていた。目印は赤いネッカチーフ。「出身階級がよく、健康・学力優秀・品行方正な青少年の中から選抜される、言わば将来の社会の幹部候補」とwikiにある。ふわふわのリボンをつけた女の子もいた。

ピオネールの子供達は利発そうで体格も良く、完全無欠で「正しい子供」的な雰囲気があって気圧された。そのイメージが、リヒター作品や、アレックス・シアラー『チョコレート・アンダーグラウンド』等、東側風の少年少女団を描いた児童文学を読むときにいつも蘇った。

そんな感じの11日目。旅はあと89日。

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