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【1989年100日旅】10日目。モスクワ


旅は10日目。学校開始。あまりの寒さに張り切ってスキーウェア上下を着てスクールバスに乗りこんだら、中学生のお姉さんが「すごい厚着だね! ここではね、そういう上着は真冬にしか着ないよ」と教えてくれた。赤面。クラスには私の他に2人転入生がいた。一人は日本人学校の先生の娘だった。

クラスの同級生は、親が新聞記者、商社員、大使館員、教員のいずれか。みな大人びていた。商社員と大使館員の家の子が、春休みの間に”日本食の食材調達のために”ロンドンとパリに行ったと聞いて驚いた。親が商社員の子からは、初めて会ったのに春休みのお土産のペンをもらった。転入生に慣れていたんだな。

クラスは少人数で、すぐに馴染むことができた。初日にクラスの女の子たちが学校案内をしてくれた。水道水が飲めないからか、学校にはチャイ室というお茶をもらえる場所があった。もらえるのは薄いお茶だった。スクールバスの運転手もチャイ室のおばさんもロシア人で、お茶をもらったり、バスを降りたりするときに「スパシーバ」と言うのが気恥ずかしかった。今考えてみると、お茶をくれるのが仕事ってすごい。授業時間は何をしていたんだろうか。

そんな感じの10日目。旅はあと90日。

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