【1989年100日旅】99日目。サンフランシスコ
1989年7月13日は旅の99日目。快晴。サンフランシスコといえば坂の街。ケーブルカーに乗る。外側を向いた木製の椅子に腰掛け、潮風に髪の毛を流されながら、海に向かって急な坂道を下る。運転手の話に乗客が笑い、父の訳で私たちも遅れて笑う。賑やかな車内の雰囲気がこの街のイメージになった。
ケーブルカーに並走して猛烈に自転車を飛ばす眼鏡の少年がいて、何をしているのかと思ったら、立ち乗りの女性のスカートを下からおおっぴらに覗き込んでいた。坂の先の海には脱出不可能と言われたかつての牢獄、アルカトラズ島が浮かぶ。賑やかな街が内包する振れ幅を感じた。
ケーブルカーを降り、フィッシャーマンズワーフへ。大道芸人や土産物屋が多く、遊園地のように賑やかな埠頭。平和な雰囲気だが、第二次大戦で日本を攻撃した潜水艦がある。中を見学すると魚雷発射装置に並んでアイス製造機があった。第二次世界大戦中の日本の悲惨な状況は児童文学を読んで知っていたから、アメリカはアイスを潜水艦の中で食べていたのか…と絶句した。
こんな感じの99日目。旅は残り1日。
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