【1989年100日旅】1日目。成田空港→モスクワ
1989年の今日、初めて海外に行った。行き先はモスクワ、成田発シェレメーチエヴォ行きアエロフロート。1980年代のアエロフロートは死亡事故が多かったから、大人たちは心配していたようだ。
機内は変わった匂いがして、座席の色が褪せていたのを覚えている。公文をやったり、マンガを読んだり、きょうだいであやとりをしたりして散々時間を使ったのに、時差で時間が巻き戻るのが不思議だった。日記には「6時間得した!」と書いてある。読んだマンガは確か『あさりちゃん』。
離着陸時に拍手が沸き起こったので、子供だった私はそれが搭乗マナーと勘違いした。演奏旅行帰りだったのか、クラシックの楽器を持った人たちが多数搭乗していた。
シェレメーチエヴォ空港では先にソ連に渡っていた父と半年ぶりに再会。父は典型的な痩せ型の日本人なのに、熊のように髭を生やし、初めて見る分厚いコートを着て、外国人のようだった。当時の母は39歳。これから数ヶ月の旅をするための大荷物を抱え、5歳、8歳、11歳の子供を連れて、初海外でソ連まで行った。脱帽。 旅はあと99日。
この記事が参加している募集
最後まで読んでくれてありがとう。気に入ってくださったら、左下の♡マークを押してもらえるとうれしいです。 サポートしてくださったら、あなたのことを考えながらゆっくりお茶でもしようかな。