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【1989年100日旅】18日目。モスクワ

1989年4月23日。旅は18日目。インターナショナルホテルへ。ここにはベリオスカ(ベリョースカ、白樺)という外貨のみ使えるお店があった。一般のロシア人は入れず、入れるのは外国人とインテリゲンツィアと呼ばれる知識階級のみだった。

ベリオスカでの価格表記はルーブルだが、支払いはドル、円、ポンド、フラン等外貨のみ。つまり外貨を持たない人は買えない仕組みだ。他のお店にはないような色とりどりの購買意欲をそそる商品がたくさんあり、店内には人形や鳥が出て音楽が鳴る機械仕掛けの時計が置かれていた。ペプシコーラもある。中は外とは全く違う、資本主義的世界。

唯一ソ連を感じさせるのは、ペプシの瓶の中身の濃度や量が1本ずつ違ったことだった。ベリオスカのガラス張りのエレベーターから外の様子が見えた。それがいつものソ連なのが不思議だった。日記には「日本のようだった」と書いていた。

ベリオスカで、クラブ活動のためにロシアの伝統楽器・バラライカを買ってもらった。14ルーブル、2800円。当時のソ連の人々の暮らしからすると高いけれど、たぶんお土産用だったのだと思う。共鳴胴が三角形で張り出し、ギターよりも大きい楽器。7月に帰国するまでずっと持ち運んだ。飛行機でネックが折れてしまったりして大変だったけれど、それも思い出。今もいなかの家にある。

そんな感じの18日目。旅は残り82日。

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