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【1989年100日旅】9日目。モスクワ

1989年の今日は旅の9日目。1日中雨降り。エネルギーを持て余した子供3人を対処すべく、母はホテル近くのバス停から適当にバスに乗って終点まで行ってみることにしたらしい。寒くて、あちこちに残った雪や氷が雨でぐちゃぐちゃと溶けてぬかるみ、物寂しい雰囲気だった。どこに行ったかは日記には書いていなかったから、たぶんどこにも辿り着けなかったのだろう。

バスからカラスを見た。日本よりちょっと小ぶりで、色はグレーと黒。帰国後、ジブリの『魔女の宅急便』を見て、「ソ連のカラスと同じ」と興奮した。でも、あのカラスはとても獰猛で他の鳥を襲う。ゴミをつつく程度のカラスしか知らなかったから、ソ連はカラスまで容赦ないと呆然と見ていた。

日記には天気を記録していなかったのが悔やまれるのだけれど、4月の下旬までは晴れの記憶がない。5月のモスクワは天気も良く、それは美しかった! でも31年前の今日の時点ではその美しさを知らず、「資本主義の香り」のする服装だったからか人に睨みつけられて、寂しかった。

でも今考えれば、ザ・外国人という感じの、英語もそうできるわけではない30代女性と子ども3人が、どこに着くかもわからないバスに乗ってぶらぶら出歩くことを誰も止めなかったのだから、治安は良かったのだろう。当時のガイドブックにも「ソ連ほど治安のよい国はない」とあったらしい。KGBにでも睨まれない限りはね。

そんな感じの9日目。旅はあと91日。翌日は学校!

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