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【1989年100日旅】23日目。モスクワ

1989年4月28日。旅は23日目。この日は父の友人の日本人宅へ。その家の男の子は1歳下の子で、日本に住んでいた時にも会っていた。同じアパートにはモスクワ日本人学校の同級生も多数住んでいた。日本人は比較的固まって住んでいたようだ。

アパートの外で遊んでいたら、同じクラスの男の子が出てきて、なぜかキャッチボールをすることになった。小規模な学校だったからか、男女や学年の間に壁がなかった。初めて嵌めるグローブがぎこちなかったけれど、その子は丁寧に動かし方を教えてくれた。運動音痴でスポーツは苦手だけれど、投げ方が上手で、キャッチボールは長く続いた。

モスクワの春は一気に訪れる。数日前までスキージャケットを着たくなるような寒さだったのに、この日はもう薄手の長袖で十分で、動いたら汗をかいた。ロシア人の装いも一気に変わった。それまでは暗い色の外套ばかりだったが、明るいTシャツや軽やかなワンピースを着た人が目につくようになった。ソ連時代でもセントラルヒーティングがあったから、ロシア人は室内では冬でも薄着らしい。外套の下には明るい服を着ていたのだろう。春だった。

そんな感じの23日目。旅は残り77日。

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