【1989年100日旅】28日目。モスクワ
1989年の今日は旅の28日目。曇り時々雨。再びボリショイサーカスへ。ボリショイサーカスは辺鄙な場所にあり、今考えると商業的な雰囲気もなく、外から見ると、わりと寒々しい感じだった。
この時は大きな動物を使った演目が多く、ラクダも出てきた。サーカス自体は楽しかったけれど、ラクダが鞭打たれるのを見て憂鬱に。 ラクダは、砂漠の国からこんなに寒い北国に連れてこられたのに、さらに鞭打たれている。「動物をいじめなくてもサーカスはできるのに」と憤り、日記に強い口調で気持ちが綴ってある。
サーカスの後半はコミカルなピエロが登場し、マジックショーになったので、安堵した。ソ連の人はぶっきらぼうだが、子供には愛情深かった。恥ずかしがり屋で引っ込み思案だった5歳の弟はあちこちで大人に可愛がられ、絶対的に受け入れている感覚を持ったらしい。サーカスの最後に花形役者が風船を配り始めたら、言葉もわからないのに飛んでいったので、母と顔を見合わせて一瞬唖然とし、その後大笑いした。自己肯定感!
そんな感じの28日目。旅は残り72日。
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