看護師としての経験は役に立つのか?

新卒で産業保健になることを目指されている学生さんから、よく受ける質問です。

これに関しては、私自身が看護師を経験してから産業保健の道に進んでいるので、逆に新卒で産業保健師になった経験をしておらず「自分の中での比較」ができないため、
あくまでも新卒で産業保健師になった人の話と自分自身の経験を比べる形になってしまいますが…「看護師としての経験も役に立つ」と個人的には思っています。

例えば社内で倒れた人がいた場合に、病院の救急や集中治療室で臨床を数多く経験していると自信をもって初期対応やアセスメントができます。やはり救急トレーニングや座学でいくら学んでいたとしても
実践での経験の有無はいざという時のとっさの動きに違いが出ると思います。他にも、生活習慣病を放置して入院が必要なくらいに悪化した患者さんたちと普段の生活の中で出会う経験はあまりないと思うので、「病気が悪化するとこうなってしまう」という具体的なイメージを持っておけるということは、企業において保健指導をする際にも説得力が違ってくると思います。


また、個人的には新卒で病院看護師を経験してから産業保健師の道に転職することはできるけれど、新卒で産業保健師になってから病院の臨床看護師になる、ということは結構難しいと思っていて、
「自分の人生における選択肢の幅」を広げておくという意味では前者の選択の順番の方が良いのかなと思っています。
ちなみに新卒で産業保健師を経験してから病院の臨床看護師に転職することが難しいと考える理由は、体力的な問題と(年齢が上がるにつれて夜勤もきつくなります)、気持ちの問題かなと。
病院での1年目はどうしても目の前の患者さんの命がかかっているからこそ厳しい指導もされますし、(私自身は経験していないですが)理不尽な先輩たちも多いと聞きますので、どうしてもそうした環境に「気持ち的についていけなくなる」のではないかなと思います。。

(決して看護師が大変で保健師は楽、という意味合いではなく、「大変さの種類の違い」かなというのが私の個人的な見解です。)

そして1番肝心なのが、産業保健の求人に「臨床経験3年以上」「臨床経験5年以上」などの経験年数の制限がついている場合も多々あるということ。
多少の経験年数の誤差の場合は応募も可能ですが、ただでさえ倍率の高い産業保健師の求人であれば、経験年数によって書類選考で足切りをされてしまう場合もある、というのが現状です。

大学によってはいくつかの企業と密接につながっていて、新卒での保健師採用枠の独占求人を持っている大学もありますが、そういう大学はあまり多くはないです。
(どこの大学がそういう求人を持っているのかまで具体的に知りたい!という方がいらっしゃれば、TwitterのDMからご連絡ください)


まとめると、病院での臨床経験が産業保健の現場で役に立たないということは決してないし、今後の自分のキャリアの選択肢を広く持っておくことができ、応募できる求人の幅が広がる可能性があるという2つの意味では、一定期間の看護師としてキャリアがあったほうが良いかもしれません。

12月よりTwitterも開始しましたので、お気軽にフォローいただき、交流などしていただけたら嬉しいです(^^) @Sayaka912O


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