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娘を産んだ理由と、見たくないものを見る勇気。


「なんで、わたしを産んだの?」

とうとつに娘が言った。そんな14年前のことを覚えていない。そして、何かを決断するのに、深く考えてもいない。でも、何か答えなければと思った。

「生まれてくる子供の顔が、見たかったんだよね。どんな顔しているか、好奇心かな。なんで?」

「Xの投稿で話題になってたから」

それをきいてXのポストを探してみたけど、見つからなかった。

「まって、あと1つある。甥っ子たちのやんちゃな姿を見ていて、わたしには子育てなんてぜったいムリ! って思ってたけど、姪っ子のRちゃんが、生まれたじゃない? そのとき、人差し指を差し出したら、ちっちゃい手でギュッて包みこんでくれたの。もしかしたらわたしにも育てられるかもしれないと急に謎の自己肯定感の高まりがおきたんだよね」

「ふーん(少し、はにかんだ顔の娘)」

「自分の女としての価値を高めるためじゃないの?」

「はっ? なにそれ」

「そういう人もいるみたいだからさ」

「それはないんじゃない? そんな価値観ゼロだよ」

「お母さん、生まれたのがわたしで良かったね。お母さんはお母さんらしくないし、わたしじゃないと娘は務まらなかったよ。良かったね」

「はいはい、そうだねー」

「『はい』は、1回だよ」

「はい」

いまは、二人で「ダメ人間になろう」企画をして実行している。夫は単身赴任中の二人暮らし。夫の許可を得て、わたしは仕事を辞めて無職。娘は、不登校だから、朝から晩までいっしょにいる。

正確には、娘は適応指導教室へ通っているから、朝から晩まで一緒なわけじゃなかった。訂正。

わたしは、いま宇宙一、自堕落な生活をしている。なんだか、突然がんばれなくなってしまった。なにもかもがどうでもよく、なぜか部屋の掃除ができない。フルカラーの動画視聴ができない。いろいろなことができなくなってしまった。いろいろの中身は、片付けも含まれている。モノがないからあまり散らからないけど。いまは、2人ともエネルギーが枯渇しているから、回復するまでジーッと待ちの状態だ。

7月の、「しいたけ.占い」を見ていた。

わたしと娘は天秤座。いっしょにチェックする。有料だからほんのさわりだけご紹介。7月の運勢は、「理想のリセット」が起きてくるらしい。当たっているなあ。

いま、公認心理士さんと話すために、自分の振り返りをしている。まさに、リセット期間だ。

これはどうかマネしないでほしい。いま、「なぜわたしは嫌われてきたのか」の記事を執筆中だ。非常に辛い作業だからオススメはしない。そもそも向き合わなくていいよ。ただ、わたしはこのことについて向き合おうと決めた。自分の見たくなかったものをいまは見ている。

夫はいつも正しいから「ヒマは害だ、考えすぎは悪、楽しいことをしろ、出かけろ」なんて言う。そうなんだけど、それはわかるんだけど、いまは、自分を掘り下げていくいい機会だから、ちょっとだけゆるしてほしい。こういう、立ち止まったときが自分を振り返るチャンスだし、いずれ勝手に忙しくなるだろうから、今だけは見逃してほしいと夫に言った。

夫は納得していないようだ。夏休み、赴任先に来てほしいと頼まれた。手元に置いて管理したいのかもしれない。赴任先で気分転換しなさいと嗜められた。夫の赴任先を気に入っている。とにかく、食べ物が抜群に美味しい。人もいいし、優しいし、わたしは大好きになった。

夏休み、夫の赴任先に行くのを楽しみにしている。

仕事を辞めて専業主婦になってから「お金」のことを考えるようになりました。「応援」や「御礼」のためのお金は、会社員で得た収入の100倍くらい嬉しいです。あなたの勇気や心づかいに感謝しています。