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今治で出会ったみかんチャレンジャーの話

みかんが収穫の時期を迎える12月。
今治のある果樹園のお手伝いに行ってきた。
ざっくりまとめたものがこちら。

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ただ、グラレコ には描ききれないこともたくさんあったので、
改めて文章でも書くことにした。

手伝うきっかけ

今治市がワーケーション人材を募集していることを社内で知り、
思い切って参加してみることに。
(実は少し迷って申込期日1日過ぎてたけど調整してくれた。感謝m(__)m)
他のワーケーションと違うなと思ったのが、
プログラムの中に「現地企業での体験」があったこと。
ただの観光で終わらない仕組みがとても素敵だなと思った。
現地のチャレンジャーと個人をマッチングする「triven」というサービスを利用して体験先を決める形式だった。

その中から、愛媛柑橘の有機栽培の継承と普及に一緒に取り組むという
プロジェクトを希望した。

実際に体験したのはたった1日だけど、体験先の井上果樹園の井上さんに
たくさんのお話を伺った。そして心動かされた。
これは発信しなければと感じたので、ここに記します。
もし、少しでも興味があれば、私まで連絡もらえると嬉しいです。
体験だけでもいいし、週末に農家やってみようかな〜なんて思っている方はぜひ!
知ってもらえることがまず大きな一歩!

体験したこと

1. 農地周り

15カ所ほどある農地を1つずつ回りながら、お話をたくさん聞きました。
withスーツケース(安定するのよこれが…)

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 ・農地の様子
  イノシシ侵入防止の柵が付けられている。全農地につけている。
  ちりつもでかかるお金。最近はウサギが入っちゃうことも。

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 ・作っているもの
  定番の温州みかんから最近の新種、そしてまだ名前のない新品種まで、
  約30種類以上も植えられているそう!
  日当たりが悪い場所にはレモンも植えている。
  また、キウイやブラックベリーなども育て中。

 ・以前の農地
  急勾配で下が見えない傾斜地で以前はみかんを育てていたそう。
  一歩間違えたら転がり落ちてしまうような傾斜。
  実際に足を踏み入れたけど、正直足がすくんでしまった…。
  こんな危険なところで作っている人もいる。
  自分より高齢の方がやってるなんて信じられない…。

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 ・水がなくて枯れてしまったキウイたち
  近くにあった池から水を引いていた農地。
  池が埋まってしまって、水が引けない状態に。
  今年までは取れたけど、いったんさら地にして、柑橘を植え直すそう。
  周りの状況の変化をダイレクトに受ける、これが農業か。

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2. みかんの保護袋つけ&収穫

美味しいみかんにはトゲがあるのよ。(この日初めて知った)
自分自身を傷つけてしまう。
トゲと寒さからみかんを守ために、
ストッキングのような生地のお洋服を着せてあげる。
1個ずつつけるので、1本つけるだけでけっこう疲れちゃう。

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そして収穫!
4箱分収穫した。みかんは2段階に分けた切り方をする。
1回目は長めにみかんの上の部分を切る。
2回目はギリギリのところで切る
みかんを傷つけないためにこの切り方をするそう。
あっという間でとっても楽しかった!
この瞬間はみかん農家の醍醐味なんだろうな。おいしそう〜〜!

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3. キウイの木の剪定

ツル科のキウイはくるくる〜とあらゆるところに巻きつきながら成長する。
来年のために、枝を整理する、それが剪定。
こいつがなかなか曲者。切っても切っても切りたい枝がたくさんある。

やりがい

・農薬を使っていないため、安心して食べてもらえる。
・おいしいみかんをお届けできる。
・きれいに作るために研究した結果が見える

大変なところ

・夏は暑い
・虫が多い
 カミキリムシが卵を産むと、枝が死んでしまう。
 大事に育てたみかんを失うのは、本当につらいこと。

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今治のおいしいみかんを守りたい、その一心で

井上さんは今、みかん農家を手伝ってくれる人を探している。
ご自身は元サラリーマン。
みかん農家になるかどうか、2年ほど迷っていたそう。

実際に就農してからもなかなかうまく行かず、とても苦労した。
売り物になるみかんかどうかわかるのは、5年後。
自分が売り物になるみかんができる土地を広げておいて、
いつでも譲れる準備をしている。
今はまだまだ赤字だけど。

みかん農家は超高齢産業。私が1日で体験したことを、
80代、90代の方が毎日行っている。
いつかはみかん農家をやめる日が来る。
このままだと、今は当たり前に食べられているみかんが
超高級品になる日が来るかもしれない。
こたつとみかんが当たり前じゃない日が来るかもしれない。

「みかんを守りたい!」
「みかん農家になりたい!」
「みかんの収穫をまずは手伝ってみたい!」
「週末農家気になっている!」
「応援したい!」

と少しでも頭によぎった人は、何か一緒にやりませんか?

実は、ITに詳しい人が近くにいないのもかなり悩みの種。
お互いの得意を持ち寄れば、おいしいみかんは守れるんじゃないかなって。
そう思ったのです。

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