永遠に 第2話「再会」
「僕の事、覚えていますか?」
忘れるはずもない。
今さっきだって、雑誌を見つめ、あの日の事を思い、良い思い出としてまたそっと心の中にしまったところだったのだから。
ニコニコとしていた笑顔が崩れ、不安そうな顔へと変わる。
まさかまた会えると思っていなかったから、何も言えずに立ち尽くすしかなかった私に忘れられたと勘違いさせてしまったかもしれない。
そう思って慌てて否定した。
「お、おぼえています・・・」
声は小さくなった。
どうしてなのか。なんとなく居心地悪く感じてしまった。
あの時には知らなかった彼の本来の姿を知ってしまったからかもしれない。
「たまにここを通る時、また会えないかと思って探していたんです。」
「どうしてですか?」
「あなたに会いたかったから。」
照れた顔でそういう彼は、あの時、私に見せてくれたそのままの顔。
雑誌なんかで見る彼の顔とは違う顔。
「あの日、後悔しました。眠ってしまったことを。気付けばあなたはいなかった。」
私を掴んだ手は離れずにそのまま握られていた。
「いま、帰りですか?送りますよ。」
にこやかな彼は、とても紳士に私を扱う。
車に誘導しようとする彼の動きを違う声が止めた。
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