観劇感想vol.36 Daiwa House presents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』

皆様ご存知シリーズ、ビリーエリオットです。邦題リトルダンサー。これも映画が大好きなのでミュージカルやるとの情報をゲットし勇んでチケット取りました。
私基本的に、父親(ぐらいの年のおじさん)と少年の絆の話がツボなんですが
この話はお父さんがいいんですよね本当にね……
会場は東京建物Brillia HALLです。私のホームタウン池袋。ありがたいね。

そんなわけで感想です。
個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。

Daiwa House presents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』

日時/場所
東京 東京建物Brillia HALL
2024/7/27(土)~10/26(土)
大阪 SkyシアターMBS
2024/11/9(土)~11/24(日)

キャスト(8/4昼公演)
春山嘉夢一
益岡徹
濱田めぐみ
根岸季衣
吉田広大
芋洗坂係長
山科諒馬
ほか

この話、バレエダンサーを夢見て頑張る少年の話みたいな印象が強いし実際そうなんですが
そういえば当時のイギリスのサッチャー政権下でスト起こす炭鉱労働者の模様をガッツリと描いてた作品でしたね。
冒頭はスクリーンにニュース映像流してたし。あれ本物かな。

同じバレエが題材でも、全体的に華やかで優雅だったナビレラとは打って変わって
ダンスパートも、労働者達がスローガンとして掲げる「団結」に相応しい力強くて猛々しい歌やダンスの印象が強かったです。
ミュージカルだし実際歌もたくさんでしたが、どちらかというと歌よりはダンス表現を多用してた気がする。
特に1幕終わりのビリーのソロのダンスはそれはすごい迫力でした。なんとなく、ビリーはこの社会情勢の波に呑まれずまっすぐな夢を見ている存在というイメージだったけど
あのダンスは、ビリー本人も含めたみんなの不安や不満やままならなさや怒りを一身に受けて打ち出して吐き出してるような鬼気迫るダンスだった。
当たり前といえば当たり前ですが、本当に主演の彼のダンスにおけるパフォーマンス力というか表現力がこの作品の根幹を支えていて、その期待に応えた素晴らしいダンスを見せてくれたなぁと思いましたね。
私が見た回でビリー役を演じたのは春山嘉夢一くんという、今年1月時点で13歳の子だそうですが
今後も人間の哀歓悲喜をすばらしく表現する素敵なダンサーになっていくんでしょうねきっと。
あと濱田めぐみさんの先生めちゃくちゃかっこよかったな。濱田さんはメンフィスで初めて拝見して、ものすごい歌上手い人だなと思ってたので
またお歌を聞ける機会ができて嬉しいです。
もともと四季の方なんですね。いかにもドナをやっていそうだ。

舞台演出の話もちょっとしますと
個人的にホリに演者の影を映す演出がすごい好きなので、結構何回かあったの良かった。感情の増幅や表には出ない本心の発露を感じると言うか、いや普通に絵的に美しいというのもありますけどね。
最後のストに負けて炭鉱に戻っていくみんなの、ヘルメットのライトが赤く光ってるの
未来へ旅立つビリーの背後に遠ざかっていく故郷という雰囲気もややありましたね。
あと家のセットもオシャレだった。螺旋階段にして上をビリーの部屋にするの省スペースな割にわかりやすくていいですね可愛いし。
おばあちゃんのダンスのシーンもよかったな。全編通してダンスに椅子を結構使うのですが、基本的には力強く打ち鳴らしたりするシーンが多い印象だけど
ここではゆったりした艶やかな雰囲気に合わせて滑らかに動かしながら踊る様子がたいへん素敵でした。

歌やお芝居も総じて素敵だったんですが、やっぱりビリーのダンスが1番鮮烈に印象に残ってますので
見終わったあとも、舞台演劇を見たと言うよりいいダンスを見たっていう余韻が残りました。
バレエの公演というのも見てみたい。今回のビリーのダンスから想像しても、私のような一般人がイメージするほど優雅一辺倒というわけじゃないんだろうなきっと。


※Daiwa House presents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』

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