観劇感想vol.29 大統領師匠vol.16『ノーザンライツVSメキシカンギャング』
久しぶりに下北沢で観劇です。小劇場の聖地ですね。
改札を出たらすぐに古着市みたいな催しが目に入って「オッやってるね」という気持ちになりました。早々に期待通りの景色です。
カレー屋激戦区ですがうまいことお昼の時間を避けた時間帯になっちゃったので、次訪れる際はもうちょいはやめに現着しようと思います。いきなり悔いを残してしまった。
そんなわけで感想です。
個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。
フライヤーのビジュアル的にドタバタトンデモSFかなと思って見に行ったところ果たしてその通り、基本的には当初の期待と全く違わぬストーリー展開で
「これを見に来た」という感じがして最高でした。
独自の広大な世界観、個性的な登場人物、中盤から明かされる重めな背景、ヒトの生き死にの倫理観に触れるストーリー、最後に全てを覆す絶望……
散りばめられた要素のひとつひとつが、なんとなくシモキタの小劇場の演劇たる物かくあるべしという感じがしますね。(完全な偏見なので一切disではないですが読まれて気を悪くされたらすみません)
めちゃくちゃに個性的なキャラクターが多いんですが、個人的に印象に残ったのはやっぱり2人のお父さんですね。
地球がもうダメという状態になった時に子を持つ親がどうなるかってのを2つの角度から描かれてましたが
豆介さんも、運良く娘がコールドスリープに選ばれましたが
もしこういう状況で助かる術が限られてる中だと
やっぱり自分は他人の脳みそを喰らう異形の化け物になったとしても、それが娘が助かる方法に繋がるならやってただろうか。掃除機にだってなったんだし……
萩本さんも研究施設にいただけに地球の救いのない状況への解像度も高くて、且つ技術もあったからあんなことできたんでしょうが
それこそマジで普通の子を思う豆介さんのようなお父さんが、いよいよ救いがなくなった状況でどうするかって話も見たいかもしれないですね。
そんなアナザー話を思わせるぐらい2人のお父さん役の役者さんの演技がすばらしかったって話です。
にしても、安穏の地を求め進み続けた長い旅を「中身のない42年間」って息子に言われると
人生って一体何なんだという気になりますね。
基本ずっと直進してるだけで船内はほぼやることないってのもなんとなくこういう宇宙モノのお話あるあるですね。
ノゾエがやたら宗教勧誘してたのもその流れというか、ヒマすぎて悟りを開いちゃったのかと思ったら
みんなが進んでる道の先には何も無いって知ってたからという絶望の布石だったとは……
言い出した時はこんな大事になるとは思わなかったんですかね。元凶のわりにふてぇ根性というかなんというか。
途中で引っ込みつかなくなっちゃったのかな。罪滅ぼしに自分も乗船したんでしょうか。
なんとなく大団円ぽい〆に向かってたのに急に全部突き落とされるラストが、こういうわちゃわちゃコメディに於いては却ってお約束感があっていいですね。
私はすごい好きです。
ところでこちらはじめましての劇団さんなのですが
劇団名が気になってしゃーないのですが、サイトのどこにも由来についての記載が見つからない。
どこかに書いてあるのかな。
※ 大統領師匠vol.16『ノーザンライツVSメキシカンギャング』
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?