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作品「恋と友だち」

とかなんとか言って、本当は辛かったりしたんじゃない??そんなこと言って、本当は悲しかったんじゃない??いくつか質問するから試しに答えてみてよ。
と言って、彼は存在を質問者に変えた。
お菓子を持った質問者が私にキリッとした笑顔を向けてこういった。
「辛い時にあなたは何をしますか?」
「ゆっくり休みます」
「そして何をしますか?」
「美味しいものを食べます」
「そうすると今は辛い時にしていることをしていますね?」
「そうなりますね」
「はい、正確にはそういう時と言えるんです」
「はい」と私は答えた。

辛かったですね、美味しいものを食べて、ゆっくり休んでください、と彼は質問者から癒しのアートディレクターになり私にいくつかの絵を選んでくれた。
辛い時にはアートも効きますよ。
そういった彼は、泣いている私のそばで私のことを慰めてくれた。
いつもこうだ。友だちだと思っていたいのに。余計なことは考えずに、よく向き合えたね、えらいえらいと仕事のことを褒めてくれる彼はすごい。私が可愛いとか、美人とか、そういう見た目や性別に関することではなく、仕事のことを褒めてくれて仕事のことで辛かったことを慰めてくれる。良い友だちを持った。私は幸せだ。よかったね、と満足げに頷いて横でニコニコ笑っている。こういう時間が、こういう日が、いつまでも心に残り続けることを切に願ってやまない。

友だちってなんだろう。恋って、愛ってなんだろう。

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爆食いを止められない子と、そのかたわらの友だち。

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