「eスポーツを仕事にしたい」と言う人うんぬんの件

こんにちは。さとけんと申します。
普段は鎌倉のインターネット企業で働いているスマブラプレイヤーです。

かつて、eスポーツ専門商社で人事責任者をやったり、トーナメントプラットフォームのコミュニティマネジャーとかやってました。

それらの経験をもとに、最近話題になっていたとあるツイートについて、自分の考えを簡単に書いてみることにしました。

「eスポーツ」を仕事にするには

"こみゅリポ"というイベントでもとてもお世話になっていたayuha先生がこんなツイートをしていました。

コミュニティ大会の主催者を支援する仕事をしていたので、大会はただただ楽しいからどんどんやった方がいいぞ!って思うんですが、eスポーツだったり、ゲーム関連のビジネスの職に辿り着くために、やったら良さそうな事とか出来そうな事がいくつか頭に浮かんだので書いておきます。

0."eスポーツ業界"にどんな仕事があるか知っておく

当たり前のこととして取り組んでほしいので0にしましたが、基本どの職種への就職であれ、自分の興味関心あるビジネスにおいてどんな仕事(会社・事業内容・職種…etc)があるのかを知るというのは必ずやった方がいいです。
まずeスポーツというと興行をつくるイメージをされている方も、実際にそこを目指されている方も多いと感じます。ですが、eスポーツの仕事って色々あって、今僕がやってるトーナメントプラットフォームの開発なんかもeスポーツの仕事だし、Twitch/Youtubeといった配信プラットフォームもeスポーツと関わりが深いです。
最近は、◯◯×eスポーツなんて事業も増えていて、例えば僕が働くカヤックのグループ会社が運営する"eSPアカデミー"なんかは、eスポーツを通じて、PDCAを学んだり挨拶や礼儀を身に付ける事を目的とした指導を行うスクールを運営している「eスポーツ×教育」ビジネスの会社です。
興行ビジネス以外にも、eスポーツビジネスや、なんらかeスポーツと関われる仕事が色々あると思うので、まずは色々調べてみてほしいです。

1.なんの職種でもいいからとりあえず極めておく

雑でごめんなさいなんだけど、僕はこのパターンでeスポーツ業界に辿りつきました。

僕は2015年に面白法人カヤックという会社に中途入社し、2019年末まで採用責任者をしていました。採用の仕事をしていた頃は、社内の採用の仕事だけではなく、他の企業のコンサルティングや、ビジネススクールや大学での講演活動を行っていて「採用のプロフェッショナル」という自負がありました。(実際に慶應大学MCCで「採用プロフェッショナル講座」なるものの講師もしておりました)

そんな感じで採用の仕事をして過ごしていたのですが、ある時、ウェルプレイド(現ウェルプレイド・ライゼスト)という会社がグループ会社になり、その会社を伸ばすために、人事責任者として出向?してこいという命が下りました。

ですが、僕のnoteの最初の記事を読んでもらえばわかりますが、ゲームとは無縁の人生を送ってきており、なんならスマブラという対戦ゲームのせいでゲームが嫌いになったほどです。そういったことがあるので、自分はeスポーツ企業の人事には向いていないんじゃないかと思い、それを代表のお二人に伝えたのですが

「それでも、さとけんさんと働いてみたいと思いました」

みたいなことを言ってもらったので、それならばと人事の責任者をやらせてもらうことになりました。

・eスポーツという分野どうこうではなく、採用が課題の会社だからさとけんに任せようと親会社が判断した
・eスポーツという分野には無縁だけど、これまでの採用での仕事ぶりを聞く限り面白そうだし、力になってくれそうとウェルプレイドの代表が思ってくれた

そう、判断してもらってのことなのかなと思ってます。ちなみに、トーナメントプラットフォームのコミュニティマネジャーの職をやらないかと声をかけられた時も、採用担当としての仕事ぶりを見ていて、任せられそうだなと思われたそうです。

なので、何かの仕事を極めておくというか目立つ活躍をすると、もしかしたらeスポーツ業界から声がかかることがあるかもしれないし、声をかけた時に良いじゃん!って思われる確度が上がるんじゃないかなと思いました。

2.eスポーツ業界への転職をいきなり目指すのではなく、1〜2社経験を挟む

とある対戦ゲームのプレイヤーの方から「今は整体の仕事をしているけど、ゲーム業界に転職したい」という相談をもらったことがあります。整体の仕事の経験しかない人を採用するかどうかでいうと、採用担当者目線であればNOです。ですが、その方の学生時代の専攻まで踏み込んでいくと、情報系を専攻していたことが分かりました。ゲームに限らず、どこの会社もエンジニアが足りていない。未経験から採用するというシステム開発会社(SES)も多くある。SESの仕事は大変だけれど、その苦労を乗り越えて腕を磨いた人は、転職市場での評価はとても高い。だから、未経験歓迎で、情報系を専攻していれば尚可というSESの会社を探して、そこでの経験をもとに3年後とかにゲーム業界への転職を狙うのはどうでしょ?という提案をしてみました。すると、その人はアドバイスを受け入れてくれて、今もうシステム開発会社で働いて頑張っているそうです。

「経験がない」

で諦める人が多いように感じるのですが、1~2社経験積むっていうルートも選択肢に入れてもらえたらなと思います。

3.◯◯×eスポーツで事業を考えてみる

「0."eスポーツ業界"にどんな仕事があるか知っておく」のところでも書きましたが、eスポーツの仕事は興行を作る以外にも色々ありますし、まだまだ開拓の余地がある(余地しかない)業界だと思います。
既にどこかの会社に属している人であれば、今のお仕事とeスポーツを掛け合わせたビジネスの可能性を検討してみるというのもアリかもしれません。

例えば、僕がトーナメントプラットフォームの仕事をしている時に一緒に働いていたDaruさんというGUILTY GEARシリーズの強豪プレイヤーの方がいるのですが、本業は「ホテルフクラシア」というホテルのお仕事をされています。この名前を聞いてピンと来る方もいるんじゃないかと思いますが、スマブラの大規模オフライン大会・マエスマTOPの会場として使われている場所です。

・ホテルとしてはどんな形態であれ施設を使ってくれれば嬉しい
・大規模コミュニティ大会の主催者は常に良い会場を探している

eスポーツのプレイヤーとして経験があり、ホテルビジネスを理解しているDaruさんだからこそ生まれた「eスポーツ×ホテル」ビジネスなんじゃないかと思います。

こんな感じで、既存のビジネスとeスポーツを掛け合わせたビジネスの可能性は色々ある感じがしています。繰り返しになるんですが、もしかしたら、今のお仕事とeスポーツを掛け合わせたビジネスがあるかもしれないので、考えて会社に提案してみるといいかもしれません。

最後に

まぁ、色々書きましたが、後は経験スキルどうこうより誠実に仕事ができる人間力の高い人にこの業界に入ってきて欲しいなと思っております。
受託であれば、お客さんとの約束を守る、お客さんに嘘をつかない、ゲームのことをしらない担当者のことを馬鹿にしたりしない、とかです。
eスポーツに興味を持ってくれたお客さんに全力で魅力を語れるそういう人はもっといた方がいいなと思います。

今回書いた以外にも、eスポーツを仕事にするためのヒントが浮かんだら追記します。誰かの参考になってくれたら嬉しいです。


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