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ルリドラゴン 感想「焼いてるの?」

 うおおおお、新刊が発行されている。
 眞藤雅興、いつの間に復帰していたのか。
 まだまだ20歳代の漫画家さんですが、このデビュー作が一気にブレイク。その過程で体調不良となって休載。
 休載したのは2022年8月というので丸まる2年近い新刊です。
 このコミックはYouTubeでボイスコミックで発見しまして。一気に購入して読んでいて。続編を期待していたがなかなか出ない。
 あああ。新人さんが、かの週刊連載という苛酷な連載で潰されてしまったかと。最早、諦めの境地に達していました。

 なぜかJKが目覚めると角が生えていて。
 しかもお父さんがドラゴンの混血だという。
 どうして交配できたのって疑問は置いといて。
 くしゃみの感触で教室にて火を吐いて。
 図らずも前席の男子の髪を焼いてるのよ。
 こんな事件のあれこれをなんというか、深刻さもなくさも日常で淡々と描いたり、友情が芽生えたり親子の情を感じたりと。
 いろんな感情が交錯しているのです。

新連載時の表紙

 そもそもが漫画なんて苛酷なメディアです。
 文章で省略していい背景まで絵で表現しないといけない。
 これを何誌にも渡って書いていた、手塚治虫や永井豪などの強靭な先駆者がいたので、編集者はそれを当然と思っている節はありますが。
 こんな駄文ですら毎日投稿はしんどいのに。
 それも絵で行うなんて。
 島崎和彦の「アオイホノオ」を読んで実に週刊連載のブラックさを知りました。
 
 遅筆作家でいうと。
 平野耕太の「ドリフターズ」、故三浦健太郎の「ベルセルク」、コースケの「Gangsta」の日本が誇る不定期連載かつ傑作なんですが。
 んでも何度も熟読しても面白いし、絵に発見があるのです。
 この三作が一気に雑誌掲載した月が2018年あたりの秋にありまして。
 ああ。
 もう世界が終わるのかなと思いました。

 良作はずっと待ち続けていますので。
 じっくりと仕上げてくださいませ。

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