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精霊流し

 去年の貴方の想い出が
 テープレコーダーから溢れています🎵

 郷里の吟朗詩人であるさだまさしの歌詞にあるような、静謐な空気は微塵もありません。これでも条例により、大人しく紳士的になりましたが。
 かつては暴徒の宴のようでした。
 箱ごと爆竹を観光客の車に投げ込んだり、箱ごと手持ちで爆竹をかき鳴らしたり、伏せたバケツに段ボールごとぶち込んでロケットのように飛ばしたり。
 もう恐ろしい光景でした。

 近年はこうして地区別に行列を組んで大人しくしています。
 今でもこの段階でお酒🥃が入っています。昔は・・、それはもう。
 舳先を突き付けて合戦場のようでした。

 かつてはテープレコーダーに肉声を封じ込めたものでした。
 今では簡便にスマホに記録してあります。
 そんな想い出はすぐにcloudから簡単に呼び出せます。けれどなんだか希少性は失われている気がします。
 動画や音声の入っているカセット📼の姿を見て、記憶が鮮明に呼び覚まされることもあります。

 お盆の夜。
 この精霊船で見送られる、というのは長崎人にとって、心の何処かにある希望なんです。
 自らを振り返ってみれば。
 叶わない事なんですけど。

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