離婚式 41

 倒し込んだ。
 形だけの抵抗があるが、頓着しない。
 わかるぜぇ、こんな手合いは。
 取引きに身体が織り込み済み。
 抗う柔らかい二の腕は、それはむしろ誘い水に過ぎない。
 俺の指はスカートに潜り込んでる。もうその柔肉を握りしめている。跡が赤く残るほどに、捻りあげている。
 そして。
 薄っぺらい布を剥ぎ取るように引き下げるときに、この女は自ら腰を浮かしている。
 やっぱりな。
 貞操よりも下着が破かれるのが惜しいんだ。
 さあ、次は胸を晒してやる。上着を脱がせ、ブラウスの上から感触を愉しむ。さあ初出勤で折り目正しく、下着も清楚なものを付けているのか、今からご開帳が楽しみでならない。
 後ろを取った。
 左手で女の左手を固めている。
 そうだなぁ、最初は後ろから挿入してやる。
 長い黒髪だったら、背後から手綱のように引き絞ってやると、よく締まる。けどこんなショートじゃあ、指からすり抜けてしまう。まあ細い喉を締めても同じ快感だ、そうするか。
 女の腕の拘束を解いたのは、拒む意思が崩れているからだ。
 左手で乳房を捏ねながら、ひとつ、ひとつとブラウスのボタンを外していく。その方が羞恥の階段を上りやすい。そして覚悟もする。その手順が面白い。
 儚く残った布から乳房が歪つに溢れ落ちている。身を守る術が、最後の砦が掌を返して、そのワイヤで女の矜持を拘束している。
 この施設で支給された個室は、One&Onlyの電磁波の城だ。如何なる外部スキャンを受けつけない。内部で非道が行われていても感知されることはない。よしんば発覚したところで、組織が全てを闇に隠してくれる。たとえそれが生き死にに関わっていても、だ。
 この女はここで飼ってやる。
 どんな職種であろうが玩具にしてやる。
 どうせ新人の下っ端だ、まずは屈服させて奉仕させる。
 ゆっくりと右手を潜り込ませて、粘っているぬかるみを探りあてる。指先を2本引っ掛けて親指で敏感な突起を弾いてやる。ほうら身体に波打つような痙攣が起きる。
 まずは半裸のままでいい。
 その方が、燃える。
 動画は、記録する。
 無論、脅迫の種だ。
 しみひとつ、黒子ひとつもない滑らかな肌。
 その背中を平手で打つ。くぐもった悲鳴にそっと怒張したものを擦りつける。また平手をくれてやる。その熱い滴りが触れている。慄きが直に伝わってくる。そこに平手。上体が仰け反って、また伏せた刹那にぬめりとそれが俺を咥え込んだのがわかる。柔肉の襞が尖端に絡みついている。そして女は尻を引こうとする。
「お前が先に欲しがったからだぜ」
 そこに腰を入れて突き上げる。
 ああ、と悲鳴にもつかない声。
 鳴かせてやる。
 夜はまだ帷だ。


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