偶然繋がった『１枚の硬貨』

🧩【７Daysという店】

学生時代の話です。

近くの商店街に
１週間単位の
ローテーションで店が替わる
［７Days］という店がありました。

７Daysは１週間で店が切り替わるので
婦人服の販売だったり、
茶器の販売だったり、
様々な店に移り変わっていきます。

とある冬の日、
たまたま７Daysの前を通ったとき
そこはヨーロッパからの輸入古着店に
なっていました。

店頭に置かれたヨーロッパの
かっこいい服に誘われて入店すると、

その内の１つ
高級そうなロングコートを手に取りました。

気に入ったのでその場で着用すると
なんとサイズもピッタリ。
洋物のコートを着るのは初めてだったので
嬉しかったです😌✨

🧩【コートに空いた穴】

…ところがそのコート、
購入後に気づいたのですが
なんとポケットに穴が開いていたのです。

そんなことは知る由もなく、
ある日、
ポケットに小銭をつっこんだのですが、

そのポケットの穴を通って
小銭が１枚がコートの内側に
入ってしまいました。

入っているのは分かっていますが、
外は寒いのでコートは脱げません。

家に帰り、そこでコートを脱ぐと、
コートの内側に確実に
コインらしき物体が確認できます。

『１枚……あれ？２枚か？』

確か入ってしまったのは
１枚だけだったような気がしたのですが、

コインらしき物体は２枚ありました。

取り出す為に逆の作業をします。
コートの内側から
ポケットの穴までたぐり寄せました。

１枚目は……そう、
確かにポケットに入れたはずの
100円玉でした。

もう一つの物体も
同じようにしてたぐり寄せます。

ん、やっぱり小銭…

あれっ

よく見ると…

別の国のお金、
それはデンマークの硬貨でした。

🧩【異国のコイン】

その硬貨が高いか安いかは知りませんが、

遠い海の向こう、
デンマークで確かに誰かが
このコートを着ていたということに

心動かされました。

この”たった１枚の硬貨”が
世界につながっていた証拠なのです。

このコートはかつて
本当にデンマークにあって
そしてそのコートをいま僕が着ている。

見知らぬ誰かと
はるか海越えて
僕らはつながることができたのだ――

そう思わされ、
不思議な感覚にとらわれました。

７日間しか販売されない店で、
"偶然”手にしたロングコート

”偶然”コートに不備があり…

そして
”偶然”時を越えて
入り込んでしまった２枚の硬貨。

不思議な縁でつながれた

僕とデンマーク。

いつか…
行ってみたいと想っています。

そして、もしも…

もしも…偶然に
このコートを着ていた人と出会えたのなら…
それはスゴいことで…

もしも…
運命の再会が出来たのなら…

僕はその人に

こう言いたいです。

『ポケット破ったのお前かー❗️』

…なんて笑。

目の前で起きている
毎日の偶然を大切に✨

そんなこんなの経験の積み重ねで
後に海外に移住することになるとは
このときはまだ
思ってもみませんでした。

最後までお読みいただき
ありがとうございました🍀

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