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保育の現場 缶蹴りレポート in GUAM ♯9年前の手記より

(2012年02月08日の日記より)
※表現が非常にガサツなのですが、当時の雰囲気が伝わるようそのままにしてあります。

ー 缶蹴りレポート ー

最近は缶蹴りに燃えています。


思えば4,5歳児がルールのある遊びを
これだけ自発的に熱中して取り組んでいるのは
初めてかもしれない、というくらいに。


もちろん、
俺が保育のプロとして力量不足から
『この時期になって初めて』になったのだろうけれども。

もっと他のアプローチをしていれば、
違う結果が出ていたのかも知れないのだけれども。


それでも、これまで一緒に過ごしてきた時間を経て、

俺らは今、缶蹴りに燃えている。


外遊びの時間になると、
ボッコボコのスチール缶をもって外に飛び出していく子ども達。


この前、空き缶回収でアルミ缶と一緒に、
クラスの缶蹴り用のスチール缶も一緒に回収されてしまった時の子どもたちの顔と来たら・・・。

(アルミ缶では、缶を蹴ったときの「♪カラーンッ!」という感覚もなく、
すぐにぺちゃんこになってしまうのです)

プールまでの歩いてお散歩するときにゴミ捨て場のスチール缶を見つけて、


『あぁ!!あれ持って帰っちゃだめかなぁ✨✨』

なんて、
いう子どもは他にどれくらいいるのでしょう?
(この時は衛生上断念しました)


ルールを段々と自分の物にしていく子どもたち。

最初は見つかった子は、
他の人が隠れている場所を鬼にこっそり教えたりしていましたが、


俺に本気で怒られたり、
自分が助けられたりを経験していくうちに、


教えたら自分が捕まったままだ、
教えたら遊びがつまらなくなってしまう、

と、自分で気付き、
次第に鬼に居場所を教える子は居なくなりました。

そして、別の知恵が働くようになります。

捕まった子は、


「あぁ!まだ来ちゃダメだって!もっと隠れて隠れて!」


「こらーっ!もっとよこよこっ!そうそう!」


「あー、もうお尻フリフリしないの!」などなど。。


これらの掛け声を、誰も居ない方に向かって大声で言ってるのです。

鬼がそっちに気を取られて、探しに言ったところを・・・

♪カラーンッ!

隠れていた子が飛び出して、いい音で缶を蹴って皆を助け、
また隠れていくのです。


俺も、俺が伝えた遊びですので、
やるときは本気です。


じっと隠れ、
コンテナの穴ぼこ、茂みの隙間、窓の反射する影、遊びをしていない子どもの影、

何でも利用して、鬼の位置を掴み、隙あらば全力で缶を狙っていきます。

そのときに俺の居場所を教えよう者がいるなら、

うちの子どもであっても、小中学生であっても、
同僚であってもガツンと、
『今やってんだから言わないで!』と一蹴します。


・・・こないだは、、つい校長先生にそれをやってしまいました。。


が、捕まって助けを待っている子もいる。

子どもには厳しく言って、大人にはそれを言わない、
では、俺の筋が通りませんので、

遊びがつまらなくなるようなことをする人には、
二度とその気が起きないように、威圧・罵倒します。

その甲斐あって(?)、
他の人たちからのちゃちゃはなくなり、

今では幼稚部の缶蹴り=真剣勝負、というイメージがついてきました。


へたっぴな子は何度も缶を蹴られ、すぐに見つかり、
悔しい思いをします。

そこで次にどうすればいいのか、を考えるようになります。

鬼になりたがらなかった子も、
繰り返すうちに

一回の時間のだいたいの目安の長さ、
大体の隠れそうな場所、
上手い人を捕まえればひとまず安心、
友達の足の速さ、
自分がどんなときに蹴られてしまうのか、


などと見通しが付き、嫌がらなくなりました。


缶蹴りに入らない子も、自分達の遊びをしながらも、
鬼が来ると、
気付かれないようにそっと小さなジェスチャーで合図したり、

「まだ大丈夫だから」

と、こそこそ教えてくれたり、

遊びの中に間接的に作用し合っています。


また、真剣で楽しい缶蹴りの様子を見て、

「一緒にやりたい!」
という子もどんどん増えて、
やり方やコツなどを知らせています。


他の人が見たらただのゴミのような、


ボッコボコのスチール缶、


外遊びの時間になると
誰が持っていくのかケンカしながら、

それを持っていく子どもたち。


缶の中にそんな子どもたちの
成長、期待、汗・怒り・爽快感、
そしてたくさんの笑顔が詰まっていると思うと、

俺には宝物のように感じて見えるのです。


明日も明後日も、

きっとグラウンドには


♪カラーンッ!

って、音が響いてるんだろうな!


ふふふ、子ども達よ、


今はまだ卑怯すぎてやらないが、


究極奥義『布をかぶって姿を見せないまま突撃』
という奥の手を使ってやるからな!


大人の力を見せてやるぜ。

覚悟しときなさい!


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