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星・星座の和名はたくさんあります

有名な和名は何だろう

星の名前、星座の名前などに和名(日本の名前)があるのはご存知ですか?一番有名な和名は何かなーと考えてたんですが、やっぱり「すばる」なんじゃないかと思います。枕草子にも「星はすばる」という言葉が出ていたり、谷村新司の「昴(すばる)」という歌も有名ですね。集まることを意味する「統(す)まる、統(す)ばる」というところから名前がついているようです。星並びから「羽子板星」とも呼ばれます。

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「すばる」はおうし座にある散開星団で、プレアデス星団という赤ちゃん星の集まりです。自動車のメーカーのスバルもここから由来しているようで、エンブレムもすばるの星を元にしています。

あとはおおぐま座の北斗七星の「ひしゃく星」なんかもよく聞く和名なのではないでしょうか。「北斗七星」自体は中国の呼び名のようですが、ひしゃく星は和名で、こぐま座の「小びしゃく」に対して「大びしゃく」ということもあるようです。

恒星についての和名もありますが、星座や星のあつまり(アステリズム)に名前を付けられていることの方が多いのかなと感じました。

春の星座の和名を見てみよう

和名はとてもたくさんあるようですが、有名なもの、馴染みやすいものをいくつかご紹介します。

春の星座は先ほどのおおぐま座こぐま座の「大びしゃく」「小びしゃく」、こぐま座にある北極星ポラリスのことを「子(ね)の星」「北辰さま」「心星」と読んだりするようです。子は干支の文字を方角に表したときに北になるからだと思います。北辰さまは北極星や北斗七星を神とした北辰菩薩(妙見菩薩とも)から呼ばれています。

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麦の刈り入れ時に見えるので「麦星」

春の代表的な星座の うしかい座の一等星アルクトゥールスが、麦の刈り入れ時に見えるということで「麦星」と呼ばれていることは、プラネタリウムなどでもよく扱われます。梅雨の時期に見られることから「五月雨星(さみだれぼし」と呼ばれることもあります。おとめ座の一等星スピカは「真珠星」と呼ばれ、この2つの恒星を「春の夫婦星(めおとぼし」と呼ばれています。春の大三角はこの2つとしし座のデネボラを結びます。からす座は「四つ星」などと呼ばれます。そのままですね。

しし座は「樋(とい)掛け星」とか、「糸かけ星」と呼ばれ、星座絵もプラネタリウムで見たことがあります。樋掛け星はレグルスから上の逆はてなの形を「樋掛け」「問いかけ」から呼んでいたようです。「糸かけ星」は獅子の大がまの部分を糸車に,獅子の尻尾の部分を糸巻きに見立てているようです。
うしかい座のすぐ左隣にあるかんむり座は、形が太鼓や首飾りに見えることから「太鼓星」、「首飾り星」と呼ばれています。

夏の星座の和名を見てみよう

夏の星で有名なのは七夕星の織姫と彦星ですね。こと座のベガを「織姫星」、わし座のアルタイルを「彦星」と呼びます。また、織姫を「カミノタナバタ」、彦星を「シモノタナバタ」と呼ぶこともあるようです。2つの星を「七夕星」と呼んだりもします。アルタイルは左右の星と合わせて「いぬかい星」ということも。

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七夕伝説はとても有名なお話なので、多くの人が知っているのではないかと思います。日本の伝統的な七夕まつりなどでも語り継がれるので、関連した和名もまだまだありそうですね。

こと座のことを「瓜畑星」、いるか座のことも「瓜畑星」と呼ぶそうです。これは「瓜」という作物が比較的簡単に栽培することができることから、豊作というイメージがあったようで、「瓜畑」を星に置くことで、豊作を願ったことから付けられたのではと考えられています。ちょうど豊作を願う夏の時期にある星座にありますね。

形が印象的な鯛つり星

さそり座の形はとても特徴的なs字カーブをしているので、見付けやすく、記憶にも残りやすいと思います。昔の人はこれを魚(うお)つり星、鯛つり星と呼んでいたそうです。あえて鯛と言っていたあたりも特別感があっていいですね。さそり座の一等星アンタレスは色からそのまま「赤星」とよばれたり、左右の2つの星と合わせて「かたぎほし」、「かごかつぎ星」と呼ばれたりします。

ほかにははくちょう座の十字を「北十字」「お十字さん」「十文字さま」と呼んでいたり、デネブを「天の川星」と読んだり、いるか座のひし形を「ひしぼし」「ひし形星」「瓜畑」と読んだりするそうです。

秋、冬については、またの機会に記事にしたいと思います。

星の民俗館

和名を調べていくと、日本の民俗についての話がたくさん出てくると思いますが、そのような話をまとめられているサイトを教えていただいたので、ここでもご紹介します。


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