■日本国民の宿痾・愚劣 - 最近の日大アメフト部員報道と日大の対応に思う

■日本国民の宿痾・愚劣 - 最近の日大アメフト部員報道と日大の対応に思う
　　　澤田石　順(さわたいし　じゅん。秋田高校山嶽部出身、"無い科医") jsawa@nifty.com
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《結論》(あえて最初に)
・日大当局は記者会見するべきでなかった
・日大当局は謝罪してはならなかった
・日大は警察の求めに応じて内部調査してはならなかった
・警察は内部調査を日大に依頼してはならなかった
・罪は個人のみにあり、日大という組織には無い

《まえおき》
　私は右翼=保守主義者/愛国者/個人主義者と自己規定してます。
▽右翼の定義
・理性をそれなりに信頼しつつも疑う人。論理的整合性を重視しつつも、現実世界における説明不可能・困難な出来事について「よくわからない」場合は、自分にはわからないと正直に認める姿勢を持つ人。
・証拠主義: 理論や内的確信に反する証拠を見たときに、単純に否定・見ないフリするのではなく、真摯に調査・検索する人

▽左翼の定義
・理性を重視過ぎる人。論理的整合性を重視しすぎる人。現実世界における説明不可能・困難な出来事について「よくわからない」場合は、それを無視する傾向が強いひと。
・証拠主義の弱さ: 理論や内的確信に反する証拠を見たときに、否定・見ないフリするをする傾向が強いひと
▽愛国者の定義等
・国 country = 国民 nation + 国土 land + 国家 state だと知り、国家ではなく国を愛する人
　　愛「国家」ではなく愛国
・愛国者には国民の１人という同胞意識があり、先祖国民による犯罪を自らの罪と感じ、過去に傷つけた他国民に対して謝罪を続ける。
・愛国者は過去の罪も過去の栄光も脳・心・骨髄に刻む
・諸国における「真」の愛国者達は互いに尊敬する

▽個人主義者とは
　アメリカ連邦憲法や日本国憲法に規定されるところの、どの人も他者と同じではない「唯一の個人」という真理を自明とみなす人々。
　個人主義者の自覚→第一に個人、第二に家族の一員、第三に地域共同体(部落 or 基礎自治体=市町村)メンバー、第四に国民・民族の１人、第５の地球村・人類の一員

　ユダヤ教(モーセの律法)にて、親の罪は子供がかぶることがない、その逆もないと明確に規定されている。ユダヤ教から発しているキリスト教は旧約聖書を聖典として認めているので、そうであるはず。ところが、キリスト教の歴史において、「キリストをユダヤ人が殺したから子孫のユダヤ人は悪」との見做しがあり、スペインの異端審問、ロシアのポグロム、ナチスドイツの蛮行等々につながってきた。
　もちろん、ほとんど誰でも、実の父母が犯罪を犯した子供は罪の意識を持つし、その逆も然り。けども、家族の一員による罪を、罪を現実に犯してない個人に対して、社会ないし国家が負わせることは全くの間違いである。何故ならば、人類はアメーバとか兎のごとき、自由意志欠如 or 自由意志がほとんど無い 生物ではないからだ。親又は子は自由意志で罪を犯したのだ。親にも子にも自由意志があるのであるから、互いに独立している。

《本題》

1. 日大の理事長・学長らは、アメフト部員個人の犯罪疑いに関して、警察から調査を頼まれた時、拒否しなければならなかった
   ・そもそも犯罪をした疑いありの個人についての捜査は警察のみに権能がある。大学にはない。
   ・警察が大学に「調査を頼む」こと自体が論外。それが法律で禁止はされてないものの。
   ・大学の「調査」の多くは「正直者が馬鹿をみる」となってきた。大麻をすった人が正直に告白すると大学当局は警察に通報して、かなりの確度で退学どころか犯罪者として訴追される。
   ・告白しない悪賢い犯罪者は証拠を消去したら知らないふり→退学にならないし、刑事訴追もされない

2. 日大の理事長・学長らは、アメフト部員個人の犯罪疑いに関して謝罪してはいけない
   ・そもそも「疑い」であるから全く不要
   ・犯罪は裁判所による確定判決のみにより認定される。刑事訴追された個人について、常に無罪推定されるのが「文明国」の有様。
   ・犯罪が裁判所により確定したとしても、謝罪する必要はない。してはならない。大学は学生の全員を24時間監視することはできないし、そうしてはならないし、大学生であれすべての国民にはプライバシーがあるから
   ・もしも、大学が24時間体制でメールとか電話を監視したり、記録しているとしても、その大学の１人の学生による罪に何にも責任はない。

3. そもそも、日大の理事長・学長らは記者会見してはならなかった
   　「世間をお騒がせした」とか「関係者にご迷惑かけた、心配させた」などの文言で「謝罪」するのは論外。このような謝罪を容認している_マスコミ/政治家/日本国民_(←一部ではある)を私は心底から嫌悪する。
   　罪は常に個人にある、少なくとも刑事犯罪については。
   　
   《補足》
   ・ある高校野球部の１人が万引きとかの犯罪を犯した時、高野連が当該野球部の甲子園出場を禁止することは愚劣。ほとんど犯罪である。
   ・但し、ある父が息子による大量殺人を知った後、世間にたいして謝罪することについて、私は決して非難しない。私もそうすると思う。けとも、そうするべきとは思わない。謝罪するか否かは父の自由意志で良い。謝罪しない父を人々が非難することには断固反対する。