マリウポリのウクライナ軍降伏に想うこと - ウクライナとロシア両国を称える

@@@マリウポリのウクライナ軍降伏に想うこと - ウクライナとロシア両国を称える
(この文章の全文は note に記録してます⇒ https://note.com/sawataishi/n/n2690d83ae306
長大な全文は友人・知人や国会議員・報道人等、そして諸国の大使館に送ってます。facebookにも投降。

ほんとに良かったと胸をなでおろしました。
 第一に、ウクライナ国民``及び''ロシア国民の死傷者がこの条件付き降伏により(ある程度なるも)減じることになったからです。それだけではありません。

@@人類史上最悪の餓死者発生の危険について -- 回避する方法について
 第二に、人類/地球村住民 がウクライナとロシアからの小麦の輸出激減により、何百万もしかしたら何千万人の餓死が現実となる公算が小さくなるかもしれないからなのです。
 カロリーベースでの食糧自給率46%しかない日本国民は、両国からの諸国への小麦輸出激減により食糧危機に陥る可能性があります。というのは、小麦輸出国のアメリカは輸出を諸国から求められ、アメリカ国が優先して輸出するとしたら、アフリカと中東諸国になると考えられるからです。その地域・諸国は両国の小麦に大きく依存しているのです。
 アメリカがロシア敵視政策を撤回することは考えられない、つまりはロシアとの交渉拒否、ウクライナへの武器援助のエスカレーションを継続することは確実と考えられます。だから、アメリカは日本への輸出を減らして、それら地域の諸国民のために輸出する方針となりましょう。そうなれば、日本国民はパン、ラーメンなどの材料が激減して、お米の備蓄はあるとしても、食糧危機に陥りかねません。だから、日本はアメリカの奴隷を脱して、両国に対して停戦仲介を申し出ねばならないのです。私個人は今年中に想定される国内の食糧危機を予想して、既にカロリーメイトとかの備蓄を開始してます。二日前でしたかインド政府は穀物輸出(たしか小麦)の輸出禁止を同国の企業に通達しました(天候不順による不作が理由とのこと)。

日本国民の食糧危機の危険について述べましたが、それよりも重大なことがあります。実のところ、日本国民は小麦輸入が激減してもなんとか餓死者は一人も発生しない公算が小さくありません。米の備蓄は少しあるし、サツマイモをあちこちで栽培するとか、国土の大半を占めている野山から食糧を確保できるでしょうから。

国連食糧計画(WFP)はウクライナ戦争が飢餓に直面する人口を増加させると警告してます⇒ https://ja.wfp.org/hunger-catastrophe
 ウクライナ国とロシア連邦はアフリカや中東諸国にとっては、命にかかわる穀物輸出国であります。両国が今回のマリウポリにおける条件あり降伏に合意したことは、両国間の交渉が実質的に効果的に再開する必要条件を満たしたとみなされると思います。両国の交渉においての議題に「アフリカと中東諸国民の餓死防止」が追加されることを望みます。その議題追加を提案するにふさわしい諸国は、ロシアとの交渉拒否のNATO諸国ではありません。NATOではない、イスラエル/中国/インド/日本/ブラジル/インド/インドネシア等、プラスNATO加盟なのにロシアと仲良しのトルコ国です。
 皆様、友人・知人、内閣の閣僚、自民党最優先で諸政党の国会議員や地方議員、中央政府の官僚(特に外務省と農林水産省)、報道人、有識者(学者等)に地球村全体の食糧危機を回避するためにロシア・ウクライナの停戦を呼びかけて下さい。御願いします。
 停戦条件の議題には奇想天外とみなされるであろう「ウクライナとロシアのNATO同時加盟」の追加もと思います。私によるその提案は下に記す場所(URLs)にあります

a) ウクライナにおける停戦を一日でも早く実現するために、第三国による交渉仲介を! (2022/5/10) https://note.com/sawataishi/n/nf0dc3ea1c319

b) ウクライナとロシアのNATO同時加盟が最良の解決(2022/4/21) https://note.com/sawataishi/n/n7361bcf8d8d3

c) ロシアによるウクライナ侵略を最も早く終結させる方法(2022/3/19) https://note.com/sawataishi/n/n2db39d2d2536

d) 諸国の在日大使に提案: ロシアによるウクライナ攻撃を終結させ、真の平和をもたらすための方法(2022/3/2) https://note.com/sawataishi/n/na6ac96618cf6

@@ウクライナとロシアがマリウポリでの戦闘停止で合意したことの意義
 ロシア軍の捕虜と投降したウクライナ兵が交換されるという妥当な条件付き降伏であることは、最近に珍しい朗報であります。
これについての報道(The New York Times)⇒ https://www.nytimes.com/live/2022/05/17/world/russia-ukraine-war-news

ゼレンスキー大統領は時に感情に流されるようなところが見て取れましたが、今回のことで、彼は国民1人1人の命を大切にする良き指導者かも知れないと感じました。そのように確信するには至ってませんが。プーチン大統領は千年以上も継続する国民奴隷化国の支配者であり、プーチンはレーニンやスターリンと性質が同様な「頭脳優秀」の野蛮人(計算高く、理念のためには大虐殺をいとわない冷血人、自らの偉大さを示したいという意味での私利私欲最優先)ですが、
 負傷兵はロシア軍の責任でロシア領内の医療施設で手当するとのこと。既に移送されました。私はロシアは(少なくとも軍医などの医療人等は)負傷兵を人道的に扱うと信じます。投降した負傷兵を非人道的に扱うことは、ロシアにとって政治的に不利だからそうしないのではなく、勇敢に闘って負傷した敵兵を暖かく介抱することはロシア軍の良き伝統だと信じられるので、このように確信してます。確信の理由はいろいろありますが、少しだけ以下に記します。
1)日露戦争: 両軍とも投降した兵士を人道的に扱った事実
 ※両軍の指揮官(将校)は敵国の国民に憎悪を抱いてなかったし、
  両軍の兵隊は農民などの``平民''つまりは素朴な民衆であり、しかたなく
  戦争に参加させられていた。兵隊レベルで将校と同様に敵国民への憎悪無し
  投降したロシア兵を日本国として人道的に対応したことは間違いない史実
  日本軍の指揮官は投降したロシア軍司令官達に対して敬意を表した史実
2)1945/8/17に始まった千島列島最北端の占守島における日ソの戦闘(ソ連が奇襲攻撃)は日本軍優勢なるも大本営(日本軍最高司令部)は条件付き降伏を現地司令官に命令⇒ある程度の紆余曲折はあったものの、日本軍とソ連軍の間での交渉が「条件付き」降伏として成立⇒日本軍は武装解除して武器弾薬を一カ所に集め、正式に投降⇒現地のロシア軍は降伏した日本軍に対して野蛮行為を基本的にしなかった。戦争におけるルールを規定したジュネーブ協定(条約)を日露両国は批准していたから、そうしたのではなくして、単純に戦闘が一方の降伏で終結したら、敵兵を人道的に扱うのが当たり前との常識があったからだと私は思います。
 ※ロシアの例外的蛮行: ソビエト・ロシアの赤軍が、投降したドイツ兵に対して野蛮行為をしたことは広く知られてます。赤軍の兵隊(将校はそんなことをしたことは例外と思える)が東欧そしてドイツに進撃する過程で、ドイツ人の民間人をほしいままに殺したり、ドイツ人女性を強姦したりしたことも良く知られてます。赤軍兵による強姦総数は日本軍による強姦とは比較にならないほど多いことは確実な史実です。そのような蛮行には十分な理由あります。理由が妥当とか妥当ではないとかの判断はどうでもよいのであります。ナチス・ドイツがソビエト・ロシアに対して勝利していた頃における、投降したロシア将兵に対する蛮行があります。百万人以上の捕虜がドイツ国と支配下の諸国において、強制労働させられました。まともな食事がないので強制労働を強いられた軍人の多くは死にました。労働できない弱ったドイツ兵は収容所でまともな食事を与えられなく病死あるいは餓死しました。ロシア国の国家として降伏した軍人に対して野蛮な扱いをした事例は対ナチスドイツのみだと私は認識している次第です。

@@もっと早く降伏するのが望ましかった、とはいえ・・・
 一ヶ月くらい前でしたか。既にロシア軍を撃退する見込みがなくなっていたマリウポリのウクライナ軍について、ウクライナ国として「降伏は選択肢にない」と宣言したものです。そのことを私は非難しました。現地の司令官には兵士と民間人の死傷者を最小限とするための降伏権限が与えられていなければならないのに、ウクライナの最高司令官は与えてないように見えたし、権限はもともとあったのに降伏を許さなかったと私には考えられたからです。
 そもそも、同地にての主力軍事組織であるアゾフ連隊はウクライナ西部のウクライナ民族主義者(ドイツ軍がウクライナ西部を占領していた頃はユダヤ人迫害・虐殺に関与、2014年ころからはウクライナ東部にてロシア系住民を攻撃)に連なる民兵・暴力団・テロリストであります。アゾフ連隊をアメリカがテロリスト指定済みです。そのような集団ですが、ロシアによるクリミア併合後にウクライナ政府は内務省管轄としました。正規軍ではないのです。ウクライナ軍最高司令官の管轄下にないため、降伏する権限が最初からなかったのかも知れません。
 アゾフ連隊の指揮官は将兵及び民間人の命を救うために降伏したいと内務省/正規軍総司令官/大統領 に許可を求めたかも知れません。事実については戦後しばらくしないと判明しないでしょう。求めた事実はそもそもなかったのかも知れませんし、求めたのに拒否されたのかもしれません。事実はどうであれ、連隊指揮官達も兵隊達も製鉄所の地下に籠もらざるを得なかった民間人、特に乳幼児・小児の悲惨さに心を痛めてなかったはずはありません。おそらくですが、連隊の将兵の中で1人以上は「民間人は人間の盾として利用できる、ロシア軍により民間人が虐殺されたら西側諸国に宣伝できるので、民間人の解放についてロシア軍と交渉はしない」なぞと思っていたかも知れません。これまでの数多の戦争や紛争において、民間人を人間の盾として敵軍の攻撃抑止に利用してきた事実は枚挙に暇がありません。このように人間の盾について記しましたが、私は事実としてそのようなことはなかったと信じたい。というより信じます。

正確には敬意を表し、連隊の死者に対して追悼の気持ちを表明します。黙祷しました。
 私、アゾフ連隊はナチスドイツが西ウクライナを支配していた頃のウクライナ民族主義者を反ユダヤ/反ロシア主義者と記載したのではありますが、アゾフ連隊の将兵に対して敬意を表さざるを得ません。
 第一の理由: (アゾフ連隊の起源といえるウクライナ民族主義者のユダヤ人憎悪は論外ですが)ロシア国の国家(帝制ロシア~ソビエト・ロシア~現ロシア連邦) and/or ロシア人 に対する憎悪には十分かつ正当な根拠があるからです。第二次大戦``前''の1937前後にスターリン政府は穀物を輸出して金を稼ぐために、ウクライナから小麦などを暴力的に調達しました。共産党員(ウクライナ人主体)/警察/軍隊/NKVDなる治安・防諜・秘密警察的組織(CIAやKGBの如き組織)等 がその蛮行を一致団結して断行しました。天候不順もありましたが年に二回播種する小麦の種すら強制的に収奪したのです。ソ連共産党の指導層の中で、種籾すら収奪するのは宜しく無いと主張した人は1人以上はいたようですが・・。結果、300万人以上が餓死しました。カニバリズム(人が人を食べる)も現実となりました。自分自身の手足を食べることもありました。
 第二の理由: アゾフ連隊の将兵(将校と平兵士という意味)は ウクライナ国民の死傷/生産基盤破壊/国民の餓死 の数と程度を最小限にするためには戦闘を継続するしかないとの決意で徹底抗戦されたのだと思うのです。愛国心から。愛「国」の国は country であり state 国家 ではありません。アゾフ連隊の将兵がウクライナ国民を守るために命をかけて奮闘したことに敬意を表します。彼/彼女ら、アゾフ連隊の将兵はウクライナ国の国民の道具であるウクライナ国家を守るために死を覚悟してロシア軍と戦ったのではないと思います。
 ※日本語において国と国家は同一視されてます。Nation について日本国に流布している英語辞典では国民と記されてると同時に国家とも記載。はなはだしきは nationalism を「国家主義」と記してます。ケネディー大統領は就任演説にて、「国に対してあなたが何をできるのかと求めるのではなく、国のためにあなたが何ができるのかを自問せよ」といいました。ケネディー大統領が話したところの「国」は country 。日本国においてのその演説の日本語訳にて、「国家に求めるのではなく、国家のために何ができるのか問え」ととんでもない誤訳をしている事例がとても多い。立憲主義というややこしい言葉を言うまでもなく、国 counry = 国民と生き物 nation + 国土 (陸海空) + 国家 state です。国家は国の主人である国民の道具=奴隷であり、国家が国民の主人ということはあってはならない事態です。ちなみに国家とは物理的の目に見えて、触ることができる実態であり、同時に憲法と法令なる触ることができない存在。国家=政府(警察と軍隊も含む)+立法府+司法府)です。National security を国家安全保障と訳してはなりません、国民安全保障です。国家戦略なぞありえません。National strategy は国民戦略。国家は国の主人である国民にとっての必要悪としての道具であり、少なくとも国家を規制するための憲法を有する国においては、そうです。ちなみに国家主義は英語にあります statism という言葉。その意味は国家統制主義であり、国家崇拝主義という奴隷根性を含意してません。国家主義という現象は明治維新から今日までの日本、今日までのロシア/北朝鮮/中国等のごく少数の国 country のみに存在していると私は断定します。

@@ソビエトロシア・スターリンが意図して実行したウクライナ国民の大量餓死
 最後にアゾフ連隊なるウクライナ民族主義者(ロシア人・ロシア国家嫌い、少なからずはユダヤ人嫌い)はもとより、大多数のウクライナ国民のロシア人 and/or ロシア国の国家憎悪の由縁についての参考文献を記します。

i) ティモシー・スナイダーの『ブラッドランド - ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(筑摩書房)
その書についてのtweets(in twitter)を引用

"#ブラッドランド 大虐殺の真実 を読んで-1
ユダヤ人のワルシャワ・ゲットー蜂起1943、そしてポーランド国内軍のワルシャワ蜂起1944の意味を再確認。双方とも奴隷として死ぬより闘って死すとの選択であり、あらゆる人間の尊厳を守るための戦いであった"

"#ブラッドランド 大虐殺の真実 を読んで-2
ウクライナ民族はソ連による意図的飢餓政策で300万人殺され、ナチスにより150万人以上殺された。ポーランド民族も双方により何百万人殺された。この事実を人類の大多数は知らないのだ。ユダヤ人だけでない"

ii) ワシーリー・グロスマン(ソ連のユダヤ人作家)の『万物は流転する』(みすず書房)より
《死刑執行人に対する裁きはひとつ、犠牲者を人間とみなさいことで自分自身が人間ではなくなるのです。自分自身の中で人間を死刑にする、すなわち自分自身の死刑執行人になるのです。一方、殺された人は、どんな殺され方をしようと、永遠に人間として留まるのです。》

@@おわりに
 プーチンはロシア軍に命じて、ウクライナ国民を大量殺戮/インフラ破壊をしました、今もしてます。ロシア軍人の圧倒的大多数は仕方なく ごく一部 は命令に従いました。命令を拒否すると殺されたり、投獄されたり、仕事を失い家族の生活が困難となるからです。蛮行をしたロシア軍人の大多数はウクライナ人を憎悪などしてませんでした。
 ウクライナ人の半分くらいは、今回の侵略前の時点で、ロシア人 and/or ロシア国家大嫌いだったと推察されますが、半分か1/3のウクライナ国民はロシア人 and/or ロシア国家については複雑な気持ち あるいは ロシア国民好き だったと思います。ウクライナ国の領土内の人々の少なからずはロシア国内に親戚がいて、ロシア国領土内のロシア人やウクライナ人も同様。
 申すまでもないことですが、ウクライナという国の国民は昔から総じて二つに分裂しております、もちろん二つに一つではなく、中間段階は様々にあります。けれども、基本的に、西はローマ・カトリック、東はロシア正教であり、西の住民は自由と民主主義のヨーロッパ人と自己規定したりあこがれており、東の住民は自由や民主主義に関心が無いロシア人が多くてロシア好き。
 この度のロシア連邦による侵略は、ウクライナ国民におけるロシア語・ウクライナ語両語を話している人々の多くの気持ちと行動を決定的に変えました。沢山の証言があります。日本に避難したウクライナ国民、日本に数年前から住んでいるウクライナ人がこんなように言ってます。
 「これまでロシア語で話してきました。ロシア語て話すことはもうしたくなくなりまし。友達とはウクライナ語だけで話すようにしてます」
 ああ、なんとも悲しい。The Point of No Return (PNR)が近づいていることを心配してます。PNRとはウクライナ国民が決定的に分裂すること and/or ウクナイナとロシアが決定的に離反すること and/or NATOがエスカレーションの結果として対ロシア戦争を開始することです。
 けども、この度のマリウポリに関してのウクライナとロシアによる条件付きのウクライナ局地軍の降伏は希望の芽であると信じたいです。

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