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インド一人旅したら死にかけた話 【第4回】(最終回)

第3回はこちら 幻のホテル 午前0時、ガンジスの街バラナシからニューデリーの空港に帰還し、空港の目の前に取っていたホテルに急いで向かおうとGoogleマップを開くと、僕は目を疑った。確かにホテルは空港の目の前ではあるが、空港自体がバカでかいせいで、今いるターミナルからホテルまでは4kmもあった。タクシーで行くのかトゥクトゥクで行くのか、はたまた徒歩で向かうのか。この時僕の脳裏によぎったのは、初日の夜にトゥクトゥクで知らない場所まで連れて行かれた時の恐怖だった。しばらく考え

    • インド一人旅したら死にかけた話 【第3回】

      第2回はこちら ガンジス川へ 朝は意外とスッキリ目覚め、チェックアウトの後、アプリでタクシーを呼んだ。10分ほど待つとちゃんとホテルの前まで来てくれて、ガンジス川まで約40分の道のりを出発した。ドライバーは無口なおじさん。順調に走り出したが、少しするとおじさんはスピードを緩め、路肩にタクシーを止めた。 「チャイ飲まない?」 とのことだった。降車し、彼に付いていくと、オンボロの商店でチャイを一杯おごってくれた。インド人の善意に初めて触れた瞬間だった。 お礼を言い、タク

      • インド一人旅したら死にかけた話 【第2回】

        第1回はこちら ホテルにチェックイン(したかった) タージマハルの最寄り「アグラカント駅」へ向かう列車は発車こそ定刻通りだったものの、到着は1時間以上遅れ、気づけば深夜2時を回っていた。 インド初日から夜中に出歩くのは怖かったが、この日のホテルは駅から歩いて10分ほどのところにとっていたので、急ぎ足で向かった。 着いたのはお世辞にも綺麗とは言えない小さなホテルで、フロントは薄暗く人影はない。勇気を出して入り口のドアに手をかけた。 鍵がかかっていた。 深夜ということ

        • インド一人旅したら死にかけた話 【第1回】

          晴れて30代に突入した昨年11月、その記念と言っては難だが、ひとりでインドに行ってきた。 なぜインドなのかは自分でもよくわからない。とりあえず日本とかけ離れた街並みが広がる、変な国に一度行ってみたかった。 「インド行ったらすごい経験ができる」とか「人生観変わる」とかはよく聞く。 とはいえ、平々凡々生きてきた自分には大して何も起こらんだろ、という若干斜に構えた気持ちを抱きつつ、ちょっと珍しいもん見て帰って来られればいいやぐらいの感じでチケットをとった。 そんなこんなで5日

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