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行方不明のヤクザおじさん

※見出しの写真とタイトルは特に関係ない。


私が東京に出てきた時、司法書士をやっていた親戚のおじさん(と言っても父の従兄なので血縁としてはだいぶ遠いのだが)に部屋探しを手伝ってもらった。

おかげで、駅からは遠いものの家賃の割にだいぶいい部屋に住めていると思う。

ちなみに、この親戚のおじさんは、以前日記のネタにした自称ヤクザおじさんなわけであるが、このおじさんが現在行方不明なのである。

ヤクザ01

そう、私と久しぶりに再会した時に、堂々とこんなことをのたまった自由なヤクザおじさんである。

ヤクザ02

もう本人がこういう人なので仕方がないけど、このヤクザおじさんに同類認定されている私は一体なんなんだ?

このヤクザおじさん、司法書士の事務所を唐突にたたんで以来、連絡先も一切お知らせしてくれないので、現在所在がわからない。一応、自宅の電話番号はあるのだが、壊れているので繋がらない。独身なので特に困ることがないらしく、壊れっぱなし。

そして「携帯を教えたら、どうでもいい用事で呼び出される。絶対にいらん仕事したくないから、俺の携帯番号は誰にも教えない」という宣言をしており、親戚すら携帯番号を知らないのである。

もしかしたら近い親戚にはさすがに教えているのかもしれないが、父の所に「事務所たたんだわ!」という葉書一枚を寄越して、しかもそれがまだ司法書士の事務所の住所だったので、もはや現住所がどこなのかもよくわからない。今もまだ自宅にいるんだかいないんだか、地元である大阪に帰っているんだかいないんだかもよくわからない。

自由なヤクザおじさんなので、思いつきで海外いったり、日本一周旅行とかしていてもおかしくない。

所在はわからないが、会ったら必ずおごってくれるヤクザおじさん。

不動産屋にめっちゃオラつくヤクザおじさん。

小学生の頃に図鑑セットを急に送り付けてきて、私をオタクの道に進ませたヤクザおじさん。

入学祝に図書券で3万円分もくれたヤクザおじさん。

遠縁なのになぜか夏になると意味もなく1週間くらいウチに泊まりにきていたヤクザおじさん。

今思えば何で夏に必ずきていたんだろうと思ったら

司法書士の勉強しながら北海道で季節労働者をやっていたらしく……。

夏は農業手伝いなので、ついでに我が家にも寄っていたようだ。

何故冬にはこなかったのかと思ったら

ヤクザ04

タコ部屋で働いていたんかい!!!!

一応あの頃すでに平成だったと思うんだけど、タコ部屋絶滅していなかったのか……そっちにびっくりしたわ。

勉強できて、自分の事務所を開く資金を稼げればなんでもよかったらしい。ヤクザおじさんのアクが強すぎる。

ちなみに、このヤクザおじさんと私は、中学くらいまで文通的なことをしており(すごくマメに返事をくれた)私がマンガや小説が好きで、自分で書いていることを知っていた。

そして、一回はデビューし、その後あまり売れずに、しかし名前は出ないながらライター自体は十年以上続けているという、微妙な立ち位置のままいきなり東京に出てきた私に、メシをおごりながら言ったヤクザおじさんのひとことがこれである。

ヤクザ02

ヤクザおじさん「死刑囚の実録書くつもりくらいやんないと」

私「吉田修一先生になれるタイプの作風の人は一握りですよ!?」

ヤクザおじさん「思い切りがねえんだよ」

いや確かに、人生において思い切りよく振り切った時の方が割と上手くいっている感じがある私なのですが、さすがに学生運動でヤンチャした世代のヤクザおじさんのマネはできないな!!!!!!!


ヤクザおじさん「どうせお前社会人向いてないだろ」

私「そうですけど!!!!!!!!!!!!!!!」


※この10か月後にスタイリッシュに転職決めました。


ところで、先日の台風、もし今までの住居にまだ住んでいるのだったら、もしかすると浸水被害に遭う可能性がないでもないような地域にすんでいたはずなんですよね、ヤクザおじさん。


私「おじさん大丈夫かな? 結局まだ連絡ないんだよね」

母「わかんないけど、多分元気でしょ?」

私「わかる。何があっても多分死んではいないし、なんなら私よりも元気だと思う」


謎の信頼感で、まぁ元気だろうなって結論づけた我々。

あんまり心配はしていない我々。


それはそれとして、一応どえらくお世話になっておりますし、行方は家族一同ほんのりずっと気にしてはいるので、もしこの日記を見て「もしかして俺のことか?」と思った都内某市で師匠書士をやっていた私の親戚のおじさん、お心当たりがございましたら私か父に連絡してください。


120%ネット見ていないって確信しているけど。


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