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あらすじのデータベースを脳内に飼う

ちょっと前に私があらすじを読むのが好きという話をしたのだけど。

何もない限界集落で、十年間やった書店員の仕事で、ただひたすらにあらすじを読んでは頭の中に突っ込むという作業をしてきた。

もうこれはルーティンワークである。

興味があったら、それを実際に読んだり観たりするかは置いておいて、あらすじはチェックする。

あらすじだけではなく、たとえばそれは猟奇殺人事件のWikiであったり、都市伝説のリストであったり、神話であったり、科学考証であったり。

とにかくセンサーにひっかかったらとりあえず、何となくふわっと頭に入れておくのがもう作業の中に組み込まれている。

Wikiを読みはじめたら関連項目も10個くらいたどってしまうし、研究サイトもはしごしてしまうし、検索⇒読む、検索⇒読む、検索⇒読む、興味が尽きなかったら底本をあたる。

とりあえず読みばかりしているので、実は年に数冊読破すればいいところであり、あんまり読書家とは言えない私である。

けど、これから映画化する小説のリストがすらすら出てきたり、読んでもいない漫画の登場人物をあらかた知っていたりするのが私である。

とにかく子供の頃から蓄積された膨大な量のあらすじデータベースが脳内にできていて、読んではいないはずなのに八つ墓村が津山30人殺し事件を元ネタにした物語だということは知っているのである。

(追記:最初八つ墓村を犬神家の一族と間違って書いていたごめんな!「八つ墓村だと思ったけどよく犬神家と間違われるやつだよな」とわざわざググってスケキヨに惑わされて犬神家と書いた私、友人に指摘されて「脳内データベースの方があってたんやないかい」という難解なミスを犯したの巻。フンワリ知識の裏付けを取る時は、たった1行かそこらの文でももうちょっと冷静に調べような!というライフハックを得たのでここに書き残しておきます。)

意外とこれが役に立つ。

書店員時代は、全然興味がないジャンルの本でも「大体あんな感じ」がわかればオススメPOPが書けた。

シナリオをやっていた時も、乙女向けなど全く読んだことはないけれども、興味本位でかじった知識でだいぶ乗り切れた。

小説にももちろん役立つ。あらすじは、いってしまえば話の骨組みであるから、膨大な話の骨組みの中からどれを使うかすぐ引き出せるというのはいいことだなぁ、と思う。

本を読む時間がなかなかとれなくても、あらすじを事前にしっておくと時間がある時に素早く読めたりする。事前に内容を把握しているから、解像度があがる。だから私はネタバレは遠慮なく踏むし、なんならネタバレで気になってから読む作品も多い。

字書きとしては実績がさほどない私だけども、どんなライター仕事を振られてもそこそこにできるのはこの脳内あらすじデータベースのおかげだなぁ、などと思うのだった。

それはそれとして、やっぱりライターよりは小説家でやっていきたいので、もそもそと色んなジャンルの小品を作ることにいそしんでいます。

本を読むのが大変だという人は多分たくさんいるんだけど、何もかも全部読もうと思うからしんどくなるのであって、拾い読みからはじめてもいいと思う。

私は拾って読んで、そこから別の本に移って、「おっとこれは前の本にあった気がするぞ」とまた前の本に戻って、とかやっているぞ。特に研究書系は「これだけは鉄板」的な底本があって、そこから派生した研究が多数あったりするので、本のはしごをやった方が理解できる時もたまにある。

最初から最後まで全部きちんと1冊ずつ読むのが大変なら、あちこち読んでもいいんじゃないかなって思う。

まぁ、こんがらがるからイヤだって人ももちろんいるとは思うけどね。


そして今日も私はどんどこネタバレを踏む。


それはそれとして、私があらすじだけは知っている鬼滅の刃、私が原作もアニメもまだ見ていないのに、何故かパパンヌがアニメを全踏破していた。

マジで……? 1時間のドラマでも途中で寝る男だぞ??

映画の関係か、たまたまやっていた一挙放送をずっと飽きずに見ていたらしい。ええー。パパンヌ、そこでハマるんです????

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