見出し画像

『ATAMI ART GRANT』 恵比須島

恵比須島

「長い海底火山の時代の後、伊豆全体が隆起と浸食を受けたため
 本来は地下に埋れていたはずの美しい内部構造を
 直接見られるようになった。
 恵比須島には海底火山の地層のほか、隆起と浸食が作った
 地形が見られる。」

熱海について調べているうちに、上記の内容をネット上で見つけ、
恵比須島を自分の目で見て触れて歩いてみたいと思い、
伊豆半島の南部に位置する恵比須島へ向かった。
風の強い、小雨が降りつける日で天候は悪かったのだが
他に行ける日がなく、とにかく足を運ぶことにした。

熱海から伊豆急行線で1時間半「伊豆急下田駅」で降り
バス停で時刻表を見るとバスは2時間後にしか来ない。
仕方がないからタクシーで向かう。

「島の周りが遊歩道になっていて一周歩けるんだけど、
 波が高くなると危険だから、その時は灯台の方に上がりなさい。」
タクシーの運転手の言葉に少し緊張が走る。

実際の恵比須島は軽石や火山灰が作る美しい縞模様や
荒々しい岩肌、ゴツゴツとした水底土石流の地層などが次々と現れ、
歩くごとに目の前の景色が変わっていく。
その造形美、年月の積み重ねによって生まれたという事実、
地球の原始的なエネルギーに圧倒されながら
必死に写真を撮り続けた。
傘が飛んでしまいそうなほどの風の強さになり、
身の危険を感じたので、島を1周したところで退散し、
先ほどのタクシーを呼んで、下田を後にした。

画像1

画像2

画像3



それからもずっと恵比須島でのほんの1時間の体験が体の中に残る。
自然の脅威と人間の小ささ、興味と恐怖、
目で見て肌で感じ、自分の中に取り込んだその時の感覚を
形として落とし込みたい。

恵比須島の印象的な地形を、ユニチカ(株)より提供していただいた
熱処理によって立体成型のできる特殊素材『メルセット』を使用し
立体刺繍で再現し、
自身の代表作である山の作品『K2』『K3』と共に
富士山や南アルプスを臨める「十国峠」山頂にて展示いたします。
十国峠から見渡せる絶景とのコラボレーションを
楽しんでいただけると幸いです。

「ATAMI ART GRANT」
会期:2021年11月16日(火) – 12月12日(日)
会場:ACAO SPA & RESORT、アカオハーブ&ローズガーデン、
熱海倶楽部リゾート&スパ、熱海の隠れ里、Atelier&Hostel ナギサウラ、
石井邸、内辰商店、春日町建物解体跡、cafebar&guesthouse ennova、
キュレーションホテル 桃山雅苑、coffee house 茶々、十国峠レストハウス、
月の栖 熱海聚楽ホテル、nagisArt café、ハコスコカフェ、姫の沢公園、
薬膳喫茶gekiyaku、その他熱海市内各所(※五十音順)

「ATAMI ART GRANT」参加アーティスト:
evala、小田佑二、吉良加奈子、栗山斉、小松千倫、
Sareena Sattapon、高木賢祐、たかくらかずき、
多田恋一朗、髙橋洋平、チャラン・ポ・ランタン、
中島崇、中村壮志、鯰、二宮佐和子、ニミュ、
ぬQ、濱口桜子、林加奈子、vug、藤生恭平、
松井照太、松田将英、水川千春、宮崎勇次郎、
宮原嵩広、モノ・シャカ、保良雄、山本修路、米澤柊
(※五十音順)

「ACAO ART RESIDENCE」参加アーティスト:
安部勇磨、市川平、石毛健太、遠藤一郎、
大小島真木、太田光海、華雪、花坊、河野未彩、
Keeenue、鈴木昭男、髙木遊、丹羽優太、BIEN、
Hiro Tanaka、布施琳太郎、光岡幸一、宮北裕美、
吉田山、渡邊慎二郎
(※五十音順)
※滞在制作型プロジェクト「ACAO ART RESIDENCE」の参加作家の作品は
「ATAMI ART GRANT」の期間においても一部鑑賞可能

Web:https://projectatami.com
Instagram:https://www.instagram.com/projectatami
Facebook:https://www.facebook.com/projectatami


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?