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気が立つ。

産後のお母さんは
気が立つ

気が立つ=心がいらだつ 興奮する 気性が荒くなるなど

ガルガル期という言い方もありますが
わたしも出産経験あるので
産後 ガルガル期があったことは自覚がある

人間も動物も同じで
産後 子供を守ろうとする防衛本能(母性本能のひとつでもある)
所謂 出産による劇的なホルモンの変動による精神的な移ろいであります

ビニールハウスの中に
仔猫を生まれてしまっている

という相談を受けた
見に行くと 目もまだ開いていない生後1週間ぐらいの
6匹の小さな仔猫たち

でも 意外と丸っとした身体でしたので
母猫はちゃんとおっぱいをあげに来ていると思われる
そして おそらく野良猫であること

人間も同じですが
新生児はお母さんのおっぱい大事と言われていますよね
所謂 初乳というやつですが
わたしも なかなか出ない初乳を
助産師さんに めちゃくちゃ痛いおっぱいマッサージしてもらい
涙ながらに おっぱいが出るように努力した

出産だけでなく
産後もお母さんたちは「痛い」ことばっかりです
でも これも
子供を守ろう 育てようとする本能なわけでして

なかなか 出ないおっぱいを持つ自分に腹が立ったり
ちゃんと育てられるのだろうかとか自己ネガキャンで
涙したり

産後のお母さんの精神状態は間違いなく移ろいやすい

さて
仔猫たちをどうするか
相談者さんと話をして
ボランティアさんにつなげた

まずは 母猫を捕獲して
育ててもらうこと

まだ 生後1週間では 人間の手で育てるのも難しいし
母猫には引き続き子育てをしていただき
十分なおっぱいを与えてもらい
それ相応に成長してから里親探しがいいのではという結論

ボランティアさんに
猫の捕獲機を設置してもらい
しばらくすると母猫は必ず
仔猫におっぱいをあげにくるはず・・・

数時間後
わたしが見に行くと
「入っていた」

嬉しかったなぁ
ちゃんと子育てしに来てくれていたこと

捕獲機に入っている母猫に
「これから安心なスペースで子育てできるよ」
まるで 母猫の母親のような気持ちで
(仔猫は孫を見るような気持ちで)
母猫に声をかけると

「シャー」
と威嚇する

おとなしく捕獲機に入っておられましたが
この 「シャー」は産後のガルガル期であることは間違いない

すぐに母猫と仔猫たちを
ボランティアさんのシェルターに輸送し
2DKの広いケージに母子共に入っていただいた

「よかったね
これで たぬきやきつねやテン カラスからの
危険にさらされず子育てできるよ」

と 母猫に話しかけると
また
「シャー」
だったが

わかる 彼女の気持ちが・・・

知らないところにきて
不安もあるだろう
でも あとは慣れていただくしかない

シェルターの猫が
母子ケージに近づくと
母猫は
「シャー」

わたしの子どもに近寄るな
と言わんばかりだった

わたしも産後
正直 姑や親せきの人に 子供を抱っこされるのが
嫌だったなぁ
これも ガルガル期の一種であろう

これがひどくなると
マタ二ティブルー つまり 産後うつにもなる

母子シェルターには
バスタオルをかけ
外部から見えないように遮断する

ボランティアさんは
「誰も見ていない環境が大事」と言う

そういこと
産後は母子だけの空間つくり
外野は見守る

そうこうしているうちに
母猫は ちゃんとおっぱいをあげはじめる

完全ワンオペ
寝不足や疲労もあるだろうけど
同じ女性として応援したい

仔猫ちゃんたちが無事に成長しますように

そんな日
わたしが20年前出産した息子は
「朝帰り」
どこでなにをしてきたのか知りませんが
ご飯食べる食べない
相変わらず連絡もない
LINEしても既読にならない
作る側の身にもなれよと
今は違う意味 気が立っている
産後20年の母でございます

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