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【映画】『アット・ザ・ベンチ』第一編「残り者たち」レビュー

感想
映画「アット・ザ・ベンチ」を観た。
18分程のショートムービー。
監督は米津玄師やnever young beachなどのPVを手掛ける奥山由之。
脚本は昨年大ヒットのドラマ「silent」や始まったばかりのドラマ「いちばんすきな花」を担当しま生方美久。
出演は広瀬すず、仲野太賀。
音楽はネバヤンの安部勇磨。
衣装にも伊賀大介。

とても豪華なメンバーなのだが、何より驚きなのがこの作品は自主制作映画でネット上で無料で公開されている事である。
クレジットを見ても企業などの名は一切ない。
あくまで、奥山さんの気心知れた仲間達と自由に作る自主制作作品というものなのだろう。
だからか、どこか良い意味で肩の力の抜けたというか、リラックスした雰囲気が作品全体に溢れる。

1つの古びたベンチと、そこに座る男女の何気ない日常の一瞬を切り取った会話劇。
こういった日常の中の輝きや美しさみたいなものを閉じ込めた空気感の作品があるのが日本映画の良い所の1つと思う。
広瀬すずが自然体に普通の女の子を演じる、という作品が今まであまりなかった様に感じるし、そこが新鮮に思えた。
最初こそ固い感じがしたが、こういった芝居が大得意の仲野太賀に引っ張られ、とても良い雰囲気を醸し出していた。

この2人の掛け合いがとても心地良く、良い感じに胸キュン(死語)なので、夜寝る前などに観ると幸せな気持ちで眠りにつけそう。

この物語の彼らが今までどう過ごしてきたのか、その後どうなっていくのかは誰も分からない。
この作品は誰の人生の中にもあるであろう、
とても美しいひと時を切り取っただけなのだから。


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