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短編集

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短編小説のまとめ
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2015年6月の記事一覧

幸せな二人の背中

この小説は有料設定にしていますが、最後まで読むことができます。

 そのお客が来ると、私は顔をしかめたくなる。もちろんレストランのホールが、お客に顔をしかめるなんて許されない。でも顔を見た瞬間、喉が詰まるのだ。そして上っ面の笑顔で迎え入れる。
 お客はもちろん私の感情なんて知らない。私の出迎えに何も疑問を持たず、自分の奥様とスーツ姿の男性を引き連れて席へと向かう。

「ワインを貰おうか。後いつ

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生きていてもしょうがない。

この小説は有料設定にしていますが、最後まで読むことができます。

 理子は押していた自転車を止めて戸惑っていた。
誰もいない路上。目の前には夏のはじめにふさわしくない黒のぼろぼろの防寒着と灰色のズボンをはいた無精ひげのホームレスの男が倒れている。時刻は真夜中の三時半。理子は新聞配達をしている最中のことだった。

 理子は大量の新聞を積んだ重量のある自転車がひっくりかえらないように気をつけながら

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優しいバスの運転手

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 申請して一ヶ月。区役所で交付される時間はたったの五分。手のひらよりもわずかに小さい。パスケースに入れられた精神障害者保健福祉手帳に戸惑いを覚えずにはいられなかった。加奈子は区役所を出ると、人目がないことを確認してもう一度、手帳を見た。軽くて、パスケースから取り出すと上質とはいえない紙がぺらぺらと風に揺れた。
 まじまじと加奈子は手

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良太のクリスマス

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 今日は楽しいクリスマス。良太はわくわくしながら飛び起きて、枕元に置かれた箱を開けました。
「サンタさん。僕のお願いを聞いてくれたかな」
 良太はお母さんに一生懸命、お願いしていました。サンタさんが自分の欲しいロボットを届けてくれますようにと。そのロボットは高くて、以前お母さんにお願いしても買ってもらえなかったのです。
 膨らん

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