子どもに必要とされる悦び

おとぅさあん
暗闇の中
布団に寝転がり
枕元のお絵かきボードのペンがないから取ってくるとか言い
取ってきてボードのペン入れにペンをしまった彼は
寝転がり笑顔で
おとぅさあん、お絵かきしようよと言う
そのおとぅさあんという響きが甘美で身を震わされる

理性で我を保ち
明日の朝起きたら一緒に絵を書こう
君は絵を描きなさい
お父さんは釣りの準備すると伝えると笑

お父さんは釣りの絵を描くんだねと言われる

すべてを忘れていたくないと思う

できたら写真か動画に残したい

私の父がなくなり 半年がたった

昔父も私が似たようなことを言ったとき
私のように感じたのかもしれない

父は照れ屋なのでそんな風に思った話はしてくれなかったが

父が私を愛していたことを感じていた

息子に今日も大好きだよ寝なさいと伝え

残りの洗い物をしに台所に戻り

ケータイを弄ってしまい笑

そう 父がなくなる前 父に詩を読んだ

そのときオヤジと父を読んだが

そんな言葉ではなく

本当はおとぅさあんと言いたかったんだ

いつまでもぼくのおとぅさあんでいてほしかったんだと

最近息子が私に声をかけてくれる時にそう気づかせてもらった

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