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前距腓靭帯損傷(ATFL)の固定管理

先月に引き続き、今月も澤井が担当させていただきます!


今回は前距腓靭帯損傷(ATFL)時の固定管理について書いていきます。


前回記事で靭帯組織の修復過程について書いていますのでまだ読んでいない方はそちらからお読みください。


より具体的に臨床に近い話をします。

このタイミングでこれに変更するのね。

と参考にしていただければと思います。




それでは行きましょう。


スタート


固定材の特徴

臨床で使う固定材には様々なものがあります。

キャスティングテープや包帯、キネスティックテープなど。

それぞれに特徴があり、目的があります。


キネスティックテープで何重に巻いたからといってキャスティングテープの固定力には遠く及びません。



まずそれぞれの固定材の特徴から確認していきましょう。


【キャスティングテープ】
〇特徴

固定力が高い
短時間で作成可能
成形に熟練度が必要
一度硬化すると再形成できない



【熱可塑性樹脂(プライトン、レナサーム)】
〇特徴

一度硬化しても熱を加えれば何度でも再形成できる
重ねる枚数により固定強度をある程度コントロールできる
熱湯が必要


【綿包帯】
〇特徴
何度でも巻き直せる
しっかり巻ければかなりの固定力がある
個人的には一番熟練度が必要
患者さん自身に巻き直してもらうのが難しい
安価


【弾性包帯】
〇特徴
伸縮性がある
患者さん自身での巻替えが容易
綿包帯と比べると固定力に劣る


【ホワイトテープ】
〇特徴
時間とともに固定力が低下する
皮膚トラブルのリスク高い
私は個人的にアンダーラップが触れない
(※ウレタン全般触ると鳥肌が立つ)


【キネスティックテープ】
〇特徴
時間とともに固定力が低下する
固定力は弱い
皮膚トラブルのリスク高い




このように固定材ごとで特徴が異なります。
どれがいい、悪いではなく時期・目的に応じて固定材を選択する必要があります。


今回は前距腓靭帯単独でのⅡ度損傷(部分断裂)と仮定し話を進めていきます。




前距腓靭帯


足首痛み

まずは前距腓靭帯の解剖学から。

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経験豊富な柔道整復師たちが〝リアル外傷〟現場での〝リアル〟な整復から固定、後療法などを赤裸々にお伝えしていきます!!!

経験豊富な柔道整復師たちが〝リアル外傷〟現場での〝リアル〟な整復から固定、後療法などを自身たちの経験や、最新のエビデンスを交えて、赤裸々に…

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