見出し画像

ロイヤルホストで昼食を

わくわくしながらロイヤルホストに行ってきた。
記憶が熱々なうちに記しておきたい。

ロイヤルホストに行く理由

そもそも今回、なぜロイヤルホストに行ったかというと、あるポッドキャストの影響だった。わたしの好きなポッドキャスト番組『味な副音声』のなかに、パーソナリティの平野紗季子さん(フードエッセイスト/フードディレクター)とゲストのイナダシュンスケさん(料理人/飲食店プロデューサー)が、ロイヤルホスト愛を語り合うという回がある。詳細はぜひ番組を聴いていただきたいが簡単にまとめると、ロイヤルホストが他のファミレスとは一線を画した "レストラン" であること、唯一無二である所以や、ふたりの推しメニュー、おすすめの楽しみ方などが語られている。ちょうど同じ番組を聴いている友人が行こう!と誘ってくれたので、ふたりの中間地点のロイヤルホストにお出かけしてきたのだ。

ちなみにイナダシュンスケさんは、いまわたしが特に気になっている(いま気づいたけれど、推しなのかもしれない)人物で、エッセイ集もレシピ本もXから読むことができる質問箱も非常に面白いので、未読の方はぜひチェックしていただきたい。言葉のチョイスがじわじわくるよ。

いざ現地へ

さて、当日の天気は晴れ。待ち合わせ場所に到着。ドアをゆっくり開けると穏やかに微笑む店員さんに迎えられ、窓際の明るい席に案内してもらう。気持ちが高まってきた。

葉っぱに勢いがあり、写真撮影が阻まれる

ポッドキャストの中で紹介されていたなかからメニューを選ぼうとするけれど、気になるメニューがいくつもあったので悩んでしまう。まずはメインから決めよう。「国産豚ときのこのポルチーニクリームソース」も「コスモドリア」もいいし、ランチなのでがっつりと「アンガスサーロインステーキサラダ」もいいなぁ。

じっくり悩んだ結果、推し人物であるイナダさんが平野さんにプレゼンしていた「ビーフジャワカレー」を食べることに決定。サイドメニューとして、サラダとジュレ&フラン仕立てとドリンクが付く「前菜セット」を注文、お腹に余裕があったらデザートを頼むことにする。メニューを選ぶ時間も楽しみのひとつ。

実食

いよいよ始まり! まずは前菜とご対面。サラダのドレッシングは洋食でスタンダードな、すりおろし玉ねぎとビネガーのドレッシング。実家近くの洋食屋さんが懐かしく思い出される。たっぷりかかっていたので、最後のレタスまで十分なドレッシングで食べられるのが嬉しい。そしてフランは、グラスの涼やかな見た目とつるんとした喉越しが初夏にぴったり。レースペーパーに載せられいて可愛い佇まい。脚付きのグラスとレースペーパーの組み合わせってよいなぁ。

レースペーパーにきゅん

前菜を食べ終わり、いよいよビーフジャワカレーがテーブルに運ばれてきた。イナダ派のわたしとしては、このカレーが今日の主役と言っても過言ではない。

ビーフジャワカレー
昭和40年代に誕生したクラシックメニュー。じっくり炒めたオニオンの甘みと約10種類のスパイスとハーブを使った伝統的なカレーです。

ロイヤルホスト公式サイトより

最初からお皿のライスにカレーがかかっているのではなく、カレー本体は取手付きの器に盛られて出てくるのが嬉しい。自分でライスにかけるタイプ。フライドオニオンは結構たくさんのせてくれるんだなぁ。わくわくしながら、カレーの半分ほどをライスにかける。

カレーならではの銀色の器

早速スプーンで一口。
むむ?

勢いよくスパイスの香りがやってきて、でも一瞬で奥に引いた気がした。

手前と奥という概念に出会う

口に入れた最初の瞬間、スパイスたちは目の前に現れた。でも、すぐ奥に引いていき、代わりに手前に出てきたのは「欧風カレー」という言葉を想起させるコク。旨みが凝縮された味というのか、野菜たちがよくよく炒められた味というのか、はたまた美味しいものたちがじっくり煮込まれた味というのか。そういう類の味の濃さ。とにかく、しゃばっとした味ではなく、旨みをたっぷり引き出しておきましたよ、って味が前に出てきた。スパイスはその背後からこちらをじっと見ている。

このクラシカルな欧風カレー感とキャッチーなスパイスカレー感が、ひとつのカレーに同居してミックスされているのがロイヤルホストのビーフジャワカレーだった。ふたつのキャラクターが交互に口の中に現れ、ひとつのカレーを作り上げていた。カレーに手前と奥という概念を感じたのは、はじめてだった。カレーを文章で表現するための豊かな経験と語彙持ち合わせておらず歯がゆいが、とにかく美味しい。

マンゴーチャツネ、柴漬け、
フライドオニオンが添えられています

土台を感じる

そして面白かったのが、このカレーの辛さ。「かなり辛い」という情報を得ていたわたしにとっては、辛さの現れ方に意外性があった。確かに辛いけれど、食べている間ずっと感じる辛さなのではなく、後味でじわじわ感じる辛さだったのだ。

その辛さは、わたしに蓄積されていく。カレーを口に入れて味わっている間は「辛い辛い」という感覚はないのだが、毎回、カレーを飲み込んだ後の口のなかでしっかりと辛さを感じる。ポケモンのゲームで、一度「まひ」状態になると、その後のターンでも毎回「まひ」状態のモーションが現れるイメージだった(伝わる?)。

辛さの度合いで言ったら、確かに結構辛い。でも、ズドーンと直接的に主張してくる前のめりタイプの辛さではなく、縁の下の力持ち的な辛さだった。土台としての厚みとなり、後味の強さを支えてくれていた。

最推しポイント : 立体感とテクスチャー

そしてそして、わたしが最も感じたビーフジャワカレーの魅力は〈立体感とテクスチャー〉だった!

絶妙な水分量

ビーフジャワカレーは、いわゆるホテルカレーのようにライスの間に流れていく粘度ではなく、ライスの上に留まってくれる粘度と水分量。また具材である牛肉や野菜は、おうちカレーのようにゴロゴロと入っているわけではなく、カレーのルー部分と一体化している。かといって、ペースト状になっている訳ではない。とろとろだけど立体感の残るやわらかな牛肉、炒められた野菜。舌の上にしっかりと重さを感じるテクスチャー。かつて、固体として自我を持っていたことを感じさせてくれる。

補足の前提条件として、わたしは、重さがありつつも舌の上でスッと消えてゆく食べものが好きだ。例えばこしあん、モンブランのマロンペースト部分、マッシュポテト、脂肪分の高いアイスクリーム。あんこは舌に小豆の皮が残る粒あんよりもこしあんが好きだし、アイスクリームはナッツやクッキーが入っているものよりも固形の具材が入っていないタイプのものが好きだ。

そんなわたしだから、ビーフジャワカレーのテクスチャーは好みに命中だった。

甘いマンゴーチャツネと、程よい酸っぱさの柴漬けを間に挟みつつ、美味しく完食。福神漬けではなく柴漬けが添えてあるところに、ロイヤルホストさんの我が道をゆく姿勢を感じた。ごちそうさまでした。大満足。

デザートで締めくくり

その後、のんびりおしゃべりをして(友人から大河ドラマ『光る君へ』を熱くおすすめされ、今週から観てみることになった)、少しずつお腹が落ち着いてきたのでデザートを注文。わたしは「キャラメルナッツブリュレ」をチョイス。

つやつやのキャラメリゼ
ピーカンナッツが立派

パリッパリにキャラメリゼされたブリュレクリームの下には、塩キャラメルアイスとチョコレートアイス。塩キャラメルアイスは塩気が結構強く、甘いパフェをいいバランスにしてくれる。店内で仕上げているのか、中に入ったクッキーはサクサク。上部に飾られたピーカンナッツとグラスのなかのピーカンナッツはどちらも大粒で、カリッとした食感を満喫できる。普段ピーカンナッツって食べる機会があまりないから、たっぷり食べられて嬉しかった。それからわたしはパフェにコーンフレークが入っているのがあまり得意ではないので、コーンフレークがいないところもありがたいポイント。

今回のパフェの構成要素の中ではブリュレクリーム部分が一番好きだった。この部分を器にたっぷり食べたいなぁと思った(それはもうパフェではない)。

集合写真

デザートまで食べ終わり、流石にお腹はいっぱい。店内は静かで穏やかな空気が流れ、店員さんはちょうどよいタイミングでお冷を交換してくれて、あっという間に時が過ぎていった。はぁ。大満足。ビーフジャワカレーはまたすぐにでも食べに行きたい。

- - -

普通に美味しいものを食べに行くのも楽しいけれど、ポッドキャストや書籍などで事前知識をインプットしてから何かを食べに行くという食の楽しみ方を実感した一日だった。それは、推しがおすすめするメニューであれば尚更。食べに行く日を待ち侘びる時間もわくわくできる。

次回はブレックファストメニューを食べに、またロイヤルホストさんに行きたいと思います。パンケーキにするかフレンチトーストにするか悩みどころです。

おしまい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?