手紙を書くこと、大切な人を想うこと
あなたにとって、手紙とはどんなものですか?
こんな質問をもらって、すぐには言葉にならずしばらく経っていたけれど、ようやく言語化ができてきた。
わたしにとって、手紙を書くことは「大切な人を想うこと」だ。
手紙を書くとき、考えることがたくさんある。そして、時間もかかる。
どんなことを伝えたいか。どんな言葉を選ぶか。どんな風に始めるか。
どんな便箋に書こうか。どんな封筒で送ろうか。どんな切手を貼ろうか。
ペンの色は何色がいいかな。あの人にはこの色が似合うかも。
細いペンで書いてみようか、それとも太いペンにしようかな。
文字を書くの、緊張する。このくらいの大きさでいいかな。
間違えないように、丁寧に、慎重に。
難関である宛名書き。こちらも間違えないよう、慎重に。
最後の仕上げ、切手。あの人ならたぶん、この切手が好きそう。
曲がらないよう、そうっと(でも曲がる)。
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プレゼントというものについて、よく「どんなものを贈ろうか悩んでくれた、その時間が嬉しかった」という言葉を聞く。
わたしにとって、手紙を送るという行為も、大切な人のために時間を設ける行為なのだと気がついた。
手紙を書いているとき、準備をしているとき、わたしは、大切な誰かのことを考えているのだった。
文字を書くことは、紙に願いを込めること。
「あなたがしあわせな日々を過ごせるよう願っています」。そんな祈りを一文字ずつ紙にのせていく行為が、わたしにとって、手紙を書くということだった。
忘れないよう、記しておきます。
おしまい。
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