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経験から自分を引き離すことを学ぶ。読書記録#23

『モリー先生との火曜日』, ミッチ・アルボム, 2004


数年ぶりにこの本を手に取った。私の大好きな本のひとつなの~。

本書は、筋萎縮性側索硬化症に侵されたモリ―先生と、かつての教え子のミッチ・アルボム(著者)と最後の対話をしていく物語。

久しぶりに読んでみて、「経験から自分を引き離すことが大事」という部分が心に残った。え、経験を自分から引き離しちゃうの?ってびっくり。
 

モリ―先生はこの意味について説明していたよ。

「切り離すっていうのは、経験を自分の中にしみこませないことじゃない。むしろその反対で、経験を自分の中に十分にしみこませるんだよ。そうしてこそ、そこから離れることができる」

なるほど?

わかったような分からないような。

もうちょっとモリ―先生の言葉を聴いてみよう。

モリ―先生は例として、感情を挙げていた。
深い悲しみや苦痛を目の前にして、その感情をこわがってばかりいる、その感情から逃げようとばかりしていては、感情を十分に経験することができない。感情の中にとびこんではじめて、痛みとは、愛とは、悲しみとは何かがわかるのだとという。そして初めて、次のように感じることができると、モリ―先生は述べる。

『よし、自分はこの感情を経験した。その感情の何たるかがわかった。今度はしばらくそこから離れることが必要だ』

あ、これはわかる。共感!

ちょっとずつ、モリ―先生が言いたいことが分かってきたよ。

モリ―先生が「引き離すことを学べ」と言っていたのは、引き離すことができるまで、感情を、経験を味わいましょうということを伝えたかったからなのかな。きっと。
引き離すことができていないというのは、まだ自分が十分に経験していないから。引き離すことを学べとは、引き離すまで経験することを学べを意味しているのでは。

納得!
私の経験に照らし合わせてみても、とっても共感できるなあ。

自分の感情から目をそらしているときは、ずっと前に進めないのよね。前に進みたくて、他のことを一生懸命やっても、ずっと心に影を落とすものがある。ネガティブな感情や、自分にとって大切なものであればあるほど、向き合わなきゃいけない。それはとってもこわいし、覚悟も必要なんだろうけどね。でも、前に進むためには必要なこと。



私も、引き離すことを学んでいこう~。

また会おうねモリ―先生!




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