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「院内カフェ」 中島たい子 読書感想文


ほんわかする話かな、と思ったら意外と現実感のある内容でした。

介護、不妊など、死ぬほど悩んではいないけど生活はいつも通り回っていて、なかなか他人には伝わりません。それは同じ家に住んでいる家族にも、夫婦でも同じことです。

「この気持ちを誰かにわかってほしい」
当事者はただただそう思いたくなります。ピントの外れた助言ではなくて、出来れば欲しい言葉をかけてほしい、わがままかもしれないけど家族だからわかってほしい…

家族であっても、それは自分の体ではないし、病や老いを介護人がシェアしているつもりになるのは良いことではないと、そろそろ私もわかってきました。
「院内カフェ」 中島たい子
この世にあるすべてのものは、誤作動を起こすものでも、絶滅するものでも、必要なものなんだよ、きっと
「院内カフェ」中島たい子 

家族が闘病中、自分がやりたくてしているのにたまに見返りを求めたくなる時がありました。そんな気持ちは誰にも言えず、「大変だろうけど無理しないで」の言葉をかけられても全然素直に受け取れませんでした。
ここで私が何もしなくなったら回らなくなる、今思えばそれは強迫観念や恐れだったんだと思います。私が「依存」していたから。

もし同じことがあった時、飲み込まれないように。その時に自分の気持ちを伝えられるように、覚え書きとして今回書いてみました。

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