約10年病気を放置されて感じたこと
最近,沢田はすでに中学生(およそ15年前)の時点ですでに学校へ行けるような状態ではなかったこと,中学卒業もやっとのことだっただろうということが分かりました。
友人が「どこかおかしい」と病院に初めて連れて行ってくれたのは3年前です。
約10年もの間,病気を放置していたのは
「親が病院に連れて行ってくれなかったから」
ただそれだけです。
それを知ってほんの少し感じた絶望と,知らなくて良かったなと思うことを書き留めています。
とにかく絶望する
およそ15年前で中学生ですから,計算すれば分かる通り,沢田は約30歳ということになります。
入院したとき同室だった子たちは10代,20代。
まだまだ治療を始めた段階でも,10年後の未来があります。
中高生の頃,周りの子たちや先輩たちは当たり前のように病院に行っていました。
当然,私の周りを見渡しても,10年以上病院に通っている子たちはザラです。
ところが私はどうでしょう。
どうしても周りを見渡すと長い間病気を放置された自分という存在は異質で,周りとは話が合わなかったり,置いてけぼりになることがほとんどです。
「10年治療を続けてきた」という状態になる10年後には,もう40歳になっているはずです。
絶望です。
周りの方と比べてしまうとどうしても絶望してしまいますが,福祉施設に勤務していた期間が長く,下は10代の方,上は70歳近い方ともご一緒した経験がありますし,一人ひとりそれぞれの人生があって私の勤務していた施設にたどり着いてくださったわけですから,「"40歳で病気"ということに絶望」というわけでは決してありません。
(むしろ40歳で,とか,40になっていろいろなご病気と向き合っておられる方のほうが多い気すらします)
これは私にだけ向けられる感想であって,他の方にこんなことを思うことはありませんが,40歳でこんななら,自分死んだほうがいいのでは?生きててどうすんの?と思います。
10年後が30歳ならまだ余地があったと思います。
でも40歳でこれは,私は耐えられる気がしません。
逆に行ってたら,ちょっと怖かったかもしれない
逆に病院に行っていたら…と想像すると,そっちの分岐ルートに行かないのも私の人生としてはアリだったのでは?と思うことも多々あります。
病気がアイデンティティになっていそう
沢田は基本的に病気であることを表には出しません。
逆に知られないように立ち振る舞うのが私に求められていることだと思っています(こちらの記事が詳しいです)。
虐待されていたことも最近まで知らなかったくらいですから,それもこれまでと変わらず自分のアイコンのように表舞台で出すことはありません(もちろんその事実を知っている方は別です)。
中学の頃にはもう厳しかったということなので,そのアイデンティティの形成期に病気が入ってきてしまうと,「病気で,中学卒業すら危うかった自分」がアイデンティティになって,自分のアイコンのように表舞台に出しそうな気がするのです。
もちろん,それはそれでアリだと思います。
中学から病気に向き合ってきたというのは,なかなかできることではないのですごいことです。
ぜひ誇ってほしいです。
ただ,どちらかというと,自分としては「病気であることを表に出さないで求められる役割を全うする」のが自分らしいと思っているので,今の私からすると,ちょっと違う自分のような気がします。
薬の量や入院回数で人を測る人間になっていそう
沢田は間違いなく,善良な人間ではないと思います。
どちらかというと悪人に分類されるような人間だと思います。
そんな人間が中学生から病院に通って薬を手にしたり,入院したり,治療を続けていたら…と思うと一番恐ろしいのがこれです。
今はその人自身と向き合える人間にある程度なれてきたと思うのですが,もし中学時点で治療をし始めていたら,薬の量やら,入院の回数やら,治療内容やらで人を測るような人間になっていそうですごく怖いです。
一人ひとり事情や程度,薬の合う合わないなどなど…があるわけなので,「それで人を測るのは違うぞ」ということをこれまでの人生や福祉施設で一通り学んでからいろいろなことが判明して良かったのかもしれません。
病んでるアピールを時々して構ってもらえないと不安になりそう
上2つに関連するのですが,病院に行くと基本的にいろんな人が優しいので,「病気だったら優しくしてもらえる」みたいな固定観念が自分の中で出来上がりそうで怖いです。
そうなると,優しくされたい→病んでるアピールにつながってしまい,さらに病気でないと優しくしてもらえない→結局病状が良くならない…みたいなとんでもない悪循環が出来上がりそうな気がします。
実際はおそらくきちんと認知のゆがみなどを矯正されているわけですから,こんなことにはならないと思いますが,3つを総合すると病気がアイデンティティで治そうともしない,薬の量やら入院の回数でマウントを取るという今以上にとんでもない沢田が出来上がりそうで超恐怖ですね…。
行かなかったからこそできたこともありそう
最後はせっかくなので希望を持てるような内容で締めましょう。
病院に通っていてもたぶん沢田は沢田ですが,行かなかったからこそ出来たこともある気がします。
やれそうなことは基本なんでもやる!というのが基本なので,実際何が出来たかはわかりません。
いろいろな人生に携わってきたので私の人生は大したことない方ではありますが,病院に行かなかったことで,ほんの少しだけ,面白い人生になったかもしれないな,と思います。
でも具合が悪いときは病院行ってね
とは言いましたが,放置していて良いことはほとんどないです。
具合が悪いな,というときは素直に病院に行ってくださいね。
どんな病気であれ早期発見・早期治療,本当に大事だと思います。
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