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初回の授業(廃刊メルマガ記事+2013年3月31日)

 「熱血!古典教育・国語教育」について、かつてはブログと並行してメルマガも発刊していました。メルマガは廃刊にしてしまいましたが、そのデータはUSBに残っていました。今後は、そのメルマガとブログとで連携させた記事、メルマガのみに掲載した記事も拾っていきたいと思います。


 今回は、古典の初回の授業をどうするか、私がこれまで実践してみたことで紹介したいと思います。

 最近は、東日本大震災で知った津波の碑をとりあげ、古典を学ぶ意義について熱い思いで訴えています。


 それ以前は、ことわざや四字熟語などのクイズ作って、小さなプリントにしたりしていました。
 プリントの上部に記したことわざ・四字熟語の意味を下部に記し、それぞれを線でつないだり、ことわざ・四字熟語の一部を空欄にして、どんな語が入るのか当てさせたりしました。クイズにすることわざ・四字熟語をどれにするかは、担当される子どもの年齢などによると思いますが、そのアイデアを無限にひき出してくれるとても良い本を最近になって見つけました。

 監修=倉島節尚『写真で読み解く ことわざ大辞典』(あかね書房/2011年2月)


 ことわざ・四字熟語、慣用句や故事成語といった知識が、年々、子どもたちの中で乏しくなっているのを痛感しています。一つには、古人にとっては身近であった物事が、彼らの生活には失われたことがあると思います。
 しかし、この本にかかれば、「豆腐にかすがい」の「かすがい」といった見慣れない生活用品はもちろん、動植物や動作なども写真で説明されています。故事成語からのことわざは、その出典と簡単なストーリーも巻末で紹介されています。高校生でも、図書室に置いてあるこの本を手に取っている生徒が少なくありません。

 時間があれば、クイズで学習したことわざを使って、子どもたち自身で短文を作り、発表し合ってみるというのはいかかでしょうか。
 身の回りにある物や現象で、人の置かれた状況や心情を短い言葉でずばりと言い得た古人の知恵、それを私たちも受け継いでいるというのは、まさに古典とは何かを考えるきっかけになると考えます。

 もちろん初回の授業ですから、一年間でどんな作品を読んで、どのようなことを学び、どのような力をつけていくのか、また、生徒たちが最も気になるところである成績の出し方(定期試験のこと、課題や小テストの点数のつけ方、授業中の取り組みに対する評価)などについても話をします。

 どうぞ、よいスタートが切れることをお祈り申し上げます。

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 ことわざ等については、図書室においてある『成語林 故事ことわざ慣用句』(監修=尾上兼英・旺文社/1992年9月)をよく手に取ります。項目数は16,500。格言・名言・四字熟語、慣用句なども収録されています。説明がわかりやすく、類似の語句や出典もしっかり押さえてあるのが気に入っています。英語のことわざの一覧もながめて楽しいものです。
 
 加えて、本ブログの第2回「自分で学ぶ姿勢・自分で考える姿勢」でもとりあげた小学館の『日本国語大辞典』を使用しています。用例と出典が示されていれば、その語句がどのような時代からどのように使われていたかまでわかり、とても興味深く思われます。


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