まずは傷の手当から。自分のわだかまりを整理する(Vol.2)
もしよければ、Vol.1から順番にご覧ください。
自分のわだかまりを整理する
夫婦がうまくいかない時に、「話し合う」という手段を取ることってありますよね。
私達も大きな喧嘩をするたびに、「もう一度話し合おう」というアプローチをとり続けてきましたが、何度話し合っても喧嘩は無くならないし、むしろ話し合いを通して関係が悪化しているのでは…?と思うくらい、逆効果な時もありました。
その理由は、自分の中にある夫に対するわだかまりや強い怒りの存在が、大きな壁になっていたから。
なのでまずは、話し合いを通じて価値観・考え方をすり合わせる(あるいは、説得する)ことに一生懸命になるよりも、自分の中にある不満と向き合い、わだかまりや怒りを解きほぐしていくことが、とても重要です。
本来の「話し合い」は、お互いの気持ちを「聴きあう」こと。
ただ、いきなり相手の話を聴こうとしても、自分が「ちゃんと聴いてもらえた」感じが無ければ、我慢が募りませんか?
「なんで私ばっかり聴かないといけないの?」と怒りがこみ上げてきませんか?
過去の私はそうでした。
でも、大丈夫。
夫婦関係をこじらせている時、実はこじらせているのは「自分との関係」だったりします。
つまり、夫とのパートナーシップに取り組む前に、自分とのパートナーシップの状態を点検し、見直していく必要があるのです。
自分が自分の心の声にちゃんと耳を傾けてあげることで、我慢の上に成り立つ聴きあい・話し合いから脱却することができますよ。
ワーク1「私は、夫の何が不満?」
自分のわだかまりに気づくために、私が取り組んだ2つのワークを紹介します。どちらも、自分の本音に気づき、まずはありのままの自分を受け入れることが目的です。
これは自分の「今の状態」を知るためのワークです。
あなたが夫に対して抱えている「不満」・「怒り」・「わだかまり」、「もっとこうだったらいいのに…というモヤモヤ」を全て書き出してみましょう。
✔ ワークに取り組むにあたってのポイント
1.どんな気持ちも「良い」や「悪い」、あるいは「正しい」、「間違っている」というジャッジはしないということ。
「こんなことを考えているなんて、器の小さい人間なんだろう…」とか、
「こんなに不平不満でいっぱいだとしたら、二人の関係を改善することなんて無理!」とか、そんなことを考える必要はありません。
誰に見せるわけでもないので、遠慮する必要はありませんし、良い恰好なんてしなくっていいんです。
むしろ、中途半端に自分のわだかまりを見ないようにしていると、かえって問題解決に時間がかかってしまいます。
正直に、どんなにくだらないことでも、自分の本音を書き出してみてください。
2.目的は自分の「現在地」を知ること。
このワークの目的は、自分の怒りやわだかまりを、そのまま相手にぶつける事ではありません。
あくまでも、
「自分は何に不満を感じているのか?」
「これまで私はどんな気持ちを味わってきたのか?」
「どんな風に傷ついてきたのか?」
を把握すること。
なので、今の時点では、「どうやって解決すればいいか」は考えなくてもOK。
自分の不満やわだかまりに気づいたら、「相手に変わってもらわないと…!」とか、「今すぐ何とかしなくちゃ!」といった焦りの気持ちが沸き起こるかもしれませんが、そうではなくて、「今の自分の現在地を知れてよかった」、「ここからがスタート!」と考えてみてください。
【私の場合はこんな感じ】
・夫に「お前」と言われることが、とにかくいや。
・舌打ち、やめて。
・言葉遣いが荒くて、子供に対してもきつく言うのは親としてどうなの?
・ダイニングテーブルに物を置きっぱなしにするのがムカつく。
・嫌いな家事(料理)を押し付けてくるくせに「大したものつくらない」と言われること。
・夫の方が出発が遅いのに、保育園に送ってくれない。送迎を率先してやらない態度が理解不能。
・夫には自分の部屋があるのに、私には無い。
・残業しまくりなら成果を出せるの当たり前。誰のおかげで仕事に専念できていると思っているのか…。こっちは…。
ワーク2「私は、自分の何が不満?」
今度は、パートナーのこと以外で、あなたが抱えている「不満」・「怒り」・「わだかまり」、「もっとこうだったらいいのに…というモヤモヤ」を全て書き出してみましょう。
夫婦関係とは関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、私達は往々にして、うまくいっていないことを身近な人のせいにしがち。
つまり、夫とは本来関係のない事で、八つ当たりをしている可能性もあるのです。
ここでは、八つ当たりしていたと気づいたとしても、自分を変えようとしたり、反省する必要はありません。「八つ当たりしたくなるくらい、頑張ってたんだな~、私って」と自分を労わってあげてください。
このワークの一番の目的も、やはり先ほどと同じように、自分の現在地を知ることです。
✔ ワークに取り組むにあたってのポイント
1.怖がらずに書いてみること
もしかすると、ネガティブな気持ちにフォーカスをすることに抵抗感や怖さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、これまで私が、大学や企業の中でカウンセリングの仕事をする中で実感してきたことは、人は弱音を吐くから、前に進める、ということです。
自分の中にあるネガティブな気持ちに蓋をして、見ないようにして、平気なふりをして頑張っても、必ずどこかで無理が出ます。
怒ったり、ムカついたり、自分や他人を責めたりしてはいけないと思っていませんか?
生きていれば、壁にぶつかることもあるし、「嫌なこと」は必ず起こります。
その時に、自分の中に生じる気持ちを、感じないようにする・押さえ込んで無かったことにすることは、自分の気持ちを無視したり、否定したりしているのと同じです。
自分で自分の声を聴いていないのに、相手に聴いてもらおうとしても、うまくいくはずありません。
最初に書いた通り、夫とのパートナーシップを考える前に、まずは自分とのパートナーシップを整えることが最優先事項です。
怖がらずに、自分の不満や怒りを書き出してみてくださいね。(もちろん、苦しくなったら無理をせず中断してください)
2.些細な不満にも目を向けてみる
真面目で頑張り屋さんな人ほど、「別に嫌なことなんてないです」、「ほかの人と比べて、そんなに頑張ってません」と言いがち。
でも、もしかするとそれは、自分の気持ちを丁寧に点検していないだけかもしれません。
自分にとって明らかに「不満なこと」だけでなく、「本当はこうだったらもっといいのに…」や、「やらずに済むならラッキー」というレベル感のことも考えてみてください。
例えば、誰もやってくれないから仕方なく担っている家事や、あまり意味は無いと思いながら義務感で出席する会議。あるいは安さ重視で購入した通勤カバンなど。
気づきたくなかった自分の本音が見え隠れすることもあるかもしれませんが、ワーク1と同じく、「気づいたらすぐ解決しなければならない!」というわけではありません。
あくまでも、これはスタート地点。
旅行に出かける時、トラブルなく目的地に行けるのは、自分の今いる場所が分かっているからですよね
もちろん、目指すべき目的地も大切ですが、理想の状態をいくら思い浮かべたところで、今の自分の状態を見て見ぬふりをしていては意味がないんです。
なので、「そっか!私はこんな風に感じていたんだ~。」と、ゆったりとした気持ちで、自分の本音に気づいていって下さいね。
【私の場合はこうでした】
・子供がご飯中に姿勢正しく食べない事
・子どもの性格。自分に似て、気持ちを言葉にすることが苦手そうなことが心配。もっと素直で無邪気な性格だったらいいのに…。
・家の中に物が散乱しているのがイライラ
・平日の自由時間が足りない。
・太っていて、ほぼ全てのスカートがきつくなりつつある
・顔の毛穴が気になる
・週5日、フルタイムで働かなければならない事(なんで?働く時間は自分で決めたい!)
・値段と時間を気にせず旅行に行けない事。もっと旅行に自由に行きたい
・家族の食事を準備したくない!料理は嫌い!疲れて帰ってきて、無理!
まとめ
ワークの目的は、自分の現在地・現状を正しく把握すること。
決して楽しい気持ちになるワークではないかもしれませんし、かえって夫への怒りが増幅してきた!という方もいらっしゃるかもしれません。
自分のダメさ加減が情けなくて、余計に落ち込む…という場合もあるかもしれません。
でも、今はそれでいいんです。
はらわた煮えくりかえるくらいの怒りの感情があることも、
夫を見下している自分がいることも、
自分に激しくダメ出ししている自分がいることも、
二人の関係改善までには果てしない道のりだ…と絶望することも、
全部大丈夫。
ここからがスタートです!
次の記事でも、もう少し自分の感情をしっかり味わっていきたいと思います。
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