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ホーチミン都市計画の目玉の1つである都市電鉄|まだまだ発展するベトナム

※写真はハノイを走る汽車です。

バンコクのような都市電鉄が開通

ホーチミン都市計画の目玉の1つは都市電鉄です。複数路線のうち、一号線の開通が直近に控えているのです。

地下鉄とも言われていますが、実は地下を走るのは数㎞で、大半は高架鉄道です。タイ・バンコクを走るBTSと同じ形態です。バンコクを訪れた人はご存知かと思いますが、複数路線で成り立つBTSのなかでもメイン路線はスクンビットラインと呼ばれ、ターミナル駅であるアソーク駅を中心として、郊外に伸びています。スクンビットライン沿に住宅街が形成され、日本人が多く住む、プロンポン・トンロー・エカマイは東急東横線に例えるなら、渋谷・中目黒・二子玉川といったところでしょうか。
なぜスクンビットラインの例を出させていただいたかというと、このホーチミン一号線沿いが同じような発展を遂げる可能性があると感じているためです。ホーチミン一号線はすでに高架や駅の骨組みが完成していますが、その下に立つとなんとも言えない感覚が押し寄せます。
「バンコクにいるようだ」と。


気候は大体同じなので、今までバンコクでしか見たことのなかった高架駅はバンコクを連想させます。そして、今は何もない駅の周辺に飲食店やカフェが立ち並び、バイクタクシーが行列を作る姿がAR(Augmented Reality)のように目に思い浮かんでしまうのです。さらに、スクンビットの先にはバンコクの新空港スワンナプーム空港がありますが、ホーチミン一号線の先にも新空港の建設が予定されているのです。なんというデジャブ感でしょうか。

スクンビットラインは空港に繋がっていませんが、ホーチミンも同じように繋がるところまではいかないのではないかと想定しています。おそらく列車の利用者数を考えると、あまり人の住んでいない空港周辺まで線路を伸ばす経済性がないのだと思います。

なかなか進まなかった一号線建設

このホーチミン一号線建設の裏にも大きな苦労があるようです。この地下鉄建設費用には、円借款という融資システムが使われていて、簡単に言うと日本政府が低金利でベトナム政府に貸し付けたお金が建設費に充てられています。しかし、日本が貸し付けているのにもかかわらず、建設業者に対して未払いが発生しているというニュースが出たのです。

その理由としては、ベトナム政府債務の上限と決められた「GDPの65%まで」が近づいていて、工事代金の支払いをすると債務に切り替わるため支払えないという理由なのです。しかし、建設業者には日本の清水建設や鹿島建設も名を連ねていて、私の近い仲間もその影響を受けていました。

素人的には、工事代金未払いとなれば、工事を止めてそれ以上作業を進めなければ良いと考えてしまいますが、止めている間にも重機のレンタル料、雇用している作業員の人件費は流れ出ていくため、工事を止められないという状況が続き、ベトナム政府との交渉、および日本本社への運転資金借入で相当な苦労があったようです。

この影響で当初2018年に開通すると言われていた一号線開通は延びていますが、先日完成したターミナル駅の写真が公開され、いよいよ開通が迫っていることを感じます。さらに、日本の建設会社が参画しているからかデザインは日本風で、丸の内地下街のような雰囲気です。熱帯雨林のホーチミンの地下に丸の内がワープしてきたようなこの光景はさぞかし面白いのでは無いかと思います。

長年バイクを主な移動手段としていたベトナムは、これを期にどう変わっていくのでしょうか。新市街と都市鉄道を中心として、ホーチミンはまだまだ発展することは間違いありません。計画通りにいかない事が多いのも、在住十年にもなりますと、もはや平常運行のように感じます。この豪快に成長する中で我々はどう活躍できるのか、この先が楽しみです。


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